1. 「投資をしないこと」もリスクになる時代
日本では「投資は危ない」「貯金が一番安心」と考える人が多くいます。
確かに、投資には元本割れのリスクがあり、短期的に資産が減る可能性もあります。
しかし近年では、「投資をしないこと」そのものが大きなリスクになりつつあります。
なぜなら、物価上昇や低金利が続く中で、お金を貯金だけに置いておくと資産価値が目減りするからです。
ここでは、投資をしないリスクの具体例と、その解決策を解説します。
2. 投資をしないリスクとは?
2-1. インフレによるお金の価値の目減り
インフレとは、物価が上昇してお金の価値が下がる現象です。
例えば、昔100円で買えたジュースが今では150円になっているように、同じお金でも買える量が減っていきます。
- 年2%のインフレが30年続くと、物価は約1.8倍に
- 100万円の価値は実質的に55万円程度に目減り
投資をせずに現金のまま持ち続けることは、資産価値が減少するリスクを抱えることになります。
2-2. 低金利による資産の増加鈍化
日本の銀行預金の金利は0.001%程度。
100万円を1年間預けても、利息はわずか10円です。
一方で、物価が年2%上がると仮定すると、実質的に資産は毎年2%ずつ減っていく計算になります。

2-3. 老後資金不足のリスク
少子高齢化により、公的年金だけでは生活費を賄いきれない時代になっています。
金融庁が2019年に公表した「老後2000万円問題」でも示されたように、自助努力による資産形成が必須です。
- 平均寿命は延びる一方
- 医療・介護費用の増加
- 退職後の生活期間が20〜30年に及ぶ
2-4. チャンスロス(機会損失)
株式や投資信託は長期的に右肩上がりの成長をしてきました。
投資をしないことで、資産を増やすチャンスを逃している可能性があります。
3. 投資をしない人が抱える心理的要因
- 投資=ギャンブルという誤解
- 知識不足による不安
- 元本割れへの恐怖
- 周囲に投資をしている人が少ない環境
これらの心理的ハードルが投資を遠ざけますが、正しい知識を身につけることで解消可能です。

4. 投資をしないリスクの解決策
では、投資をしないリスクにどう対処すればよいのでしょうか?
ここでは、初心者が安心して始められる解決策を紹介します。
4-1. 長期・分散・積立投資を実践する
長期投資:時間をかけることで短期的な値動きリスクを平準化
分散投資:複数の銘柄・地域に投資してリスク低減
積立投資:定期的に一定額を投資し、ドルコスト平均法でリスクを分散
4-2. インデックス投資を活用する
インデックス投資とは、市場全体に連動する投資信託やETFに投資する方法です。
例:S&P500、全世界株式(オールカントリー)など。
- 個別株よりリスクが低い
- 運用コストが安い
- 初心者でも管理が簡単
4-3. 新NISAやiDeCoの活用
- 新NISA:投資利益が非課税(年間最大360万円まで)
- iDeCo:掛金が全額所得控除、運用益も非課税
これらを活用すると、税金面で大きなメリットを得ながら資産形成が可能です。
4-4. 少額から始める
投資は大きな金額が必要と思われがちですが、投資信託なら100円から積立可能です。
少額で始めて慣れながら投資額を増やすのが安全な方法です。
4-5. リスク許容度を把握する
- 自分の収入・支出・貯金額を確認
- 「最悪どのくらいの損失まで耐えられるか」を考える
- 安心できる範囲で投資する
5. 投資を始める具体的ステップ
- 証券口座を開設(SBI証券・楽天証券など)
- 目標額・期間を設定(例:老後資金2000万円を30年で)
- 投資商品を選ぶ(S&P500や全世界株などのインデックスファンド)
- 積立設定をする(毎月1〜3万円から)
- 長期保有しつつ定期的に見直す
6. 投資をしないリスクを回避した人の事例(イメージ)
- Aさん(30代会社員):
月3万円をS&P500連動投信で30年間積立 → 約2000万円超の資産形成に成功 - Bさん(現金貯金のみ):
同額を銀行預金で30年間 → ほぼ金利ゼロ、インフレで実質価値は半減
この差が、将来の生活の安心感に直結します。

7. まとめ
投資をしないことも立派なリスクです。
インフレや老後資金不足、低金利による資産減少など、現金だけでは資産を守れません。
しかし、長期・分散・積立という王道の投資法を使えば、
初心者でも安全性を高めながら資産形成が可能です。
- 少額から始める
- インデックスファンドを活用する
- 新NISA・iDeCoを利用する
この3ステップを実践するだけでも、将来の不安は大きく減らせます。
「投資をしないリスク」を理解し、今から一歩を踏み出してみましょう。