はじめに
投資の世界には古くから数多くの格言が存在します。これらは相場の本質や投資家の心理を的確に表現しており、今もなお多くの投資家にとって道しるべとなっています。株式投資・債券投資・不動産投資など、どの分野にも共通して活かせる普遍的な知恵が詰まっているのが特徴です。
この記事では投資初心者から経験者まで役立つ代表的な「投資の格言」を5つ取り上げ、その意味と背景、そして現代の投資戦略にどう活かせるかを解説します。

石の上にも三年 ― 長期投資の重要性
「石の上にも三年」という格言は、忍耐強く続けることの大切さを説いています。投資の世界では特に「長期投資の重要性」を象徴する言葉として使われます。
短期的な値動きに惑わされない
株式市場は日々上がったり下がったりを繰り返します。しかし数十年という長期のスパンで見ると、市場全体は成長を続けています。短期の上下動に一喜一憂して売買を繰り返すと、手数料やタイミングの難しさで利益を失いやすいのです。
複利の力を活かす
長期投資を続けることで大きな武器となるのが「複利」です。例えば年間5%で運用した場合、100万円は20年後に約2.6倍の260万円になります。配当や分配金を再投資すれば、その効果はさらに大きくなります。
実践ポイント
- 投資信託やETFでの積立投資を継続する
- 一時的な下落相場でも売らずに耐える
- 3年ではなく「10年、20年」の視点を持つ
この格言は、「時間を味方につけることが投資の本質である」と私たちに教えてくれます。
卵を一つのカゴに盛るな ― 分散投資の原則
「卵を一つのカゴに盛るな」は、投資の世界で最も有名な格言のひとつです。ひとつの資産に集中すると、万一のリスクで資産が大きく毀損する可能性があるため、分散投資が大切だと説いています。
分散の効果
株式のみならず、債券・不動産・金(ゴールド)などに分けて投資すれば、一方が下がっても他方がカバーしてくれる仕組みができます。リスクを抑えながら安定したリターンを目指すうえで、分散は欠かせません。
具体例
- 株式:先進国、新興国、日本株に分散
- 資産クラス:株式、債券、REIT、コモディティ
- 時間:毎月の積立で購入時期を分散
現代版の応用
近年は全世界株式インデックスファンドやバランスファンドを利用することで、誰でも簡単に分散投資が可能になりました。特に投資初心者にとっては、最初から「卵を複数のカゴに分ける」仕組みが組み込まれている商品を利用するのが効果的です。
安いときに買い、高いときに売る ― 投資の基本
「安く買って高く売る」というのは投資の基本中の基本ですが、実際に実行するのは難しいものです。なぜなら、人間の心理は相場と逆の行動を取りやすいからです。
投資家心理の罠
- 株価が下がると「もっと下がるかも」と怖くなって売ってしまう
- 株価が上がると「もっと上がるはず」と欲を出して高値で掴んでしまう
この心理的な逆行動が、多くの投資家が市場平均を下回る原因になっています。
実践的な方法
- 定額積立投資(ドルコスト平均法)で価格変動を気にしない
- 明確な目標株価を設定してルールに従う
- 感情ではなくデータに基づいた投資判断を行う
つまり「安いときに買い、高いときに売る」という格言は、単なるテクニックではなく「冷静な判断を下す訓練」の重要性を説いているのです。

木を見て森を見ず ― 全体を見る視点を持つ
投資をする際、個別の株価や短期的なニュースにばかり気を取られてしまうことがあります。しかし「木を見て森を見ず」という格言が示すように、大局を見失うことは投資の失敗につながりやすいのです。
短期ニュースに振り回されない
決算発表や金利動向など短期的な要因は重要ですが、それに一喜一憂して売買を繰り返すと成果は安定しません。むしろ長期的な経済成長や産業のトレンドを捉える方が成果につながります。
マクロ視点の重要性
- 世界経済の成長トレンド
- 人口動態や技術革新の方向性
- 金融政策やインフレ動向
こうした「森」をしっかりと意識することで、個々の「木」である株や債券の投資判断も正しい方向に導かれます。
待つも相場 ― 機会を逃さない冷静さ
「待つも相場」という格言は、相場において積極的に売買することだけが投資ではなく、「待つこと」もまた重要な戦略であることを示しています。
取引しない勇気
投資初心者は「何かしなければならない」と焦って売買を繰り返しがちです。しかし、相場が不安定なときや根拠のない売買を避けたいときには、現金や債券で待機することも立派な選択肢です。
チャンスを待つ
暴落局面では優良銘柄を安く買える大きなチャンスが訪れます。普段は積立投資を継続しつつ、大きく市場が下がったときに追加投資を行うのも効果的です。
格言の本質
「投資は行動することだけではなく、待つことも戦略の一部である」という冷静な視点を養うことが、長期的なリターンにつながります。
投資格言を現代に活かすために
投資の格言は時代を超えて生き残ってきた知恵です。AI取引やロボアドバイザーが登場した現代でもなお、人間の心理や市場の本質を突いている点に変わりはありません。
- 長期投資の視点を持つ(石の上にも三年)
- リスクを分散する(卵を一つのカゴに盛るな)
- 冷静な判断を心がける(安いときに買い、高いときに売る)
- 大局観を養う(木を見て森を見ず)
- 待つ勇気を持つ(待つも相場)
これらを常に意識して投資に取り組めば、相場に振り回されることなく着実に資産形成を進めることができます。

まとめ
投資の格言は単なる言葉遊びではなく、相場で長く生き残ってきた投資家たちの経験と知恵の結晶です。特に初心者にとっては日々の判断に迷ったときに立ち返る「羅針盤」のような存在となります。
資産形成は一朝一夕で成し遂げられるものではありません。時間を味方につけ、リスクを抑え、冷静な判断を続けることが求められます。本記事で紹介した5つの格言を胸に刻み、ぜひ長期的で安定した投資ライフを送ってみてください。