1. S&P500指数とは?
S&P500指数は、米国の代表的な株価指数で、ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場する時価総額上位500社の株式で構成されています。
アップル、マイクロソフト、アマゾン、グーグル、エヌビディアといった世界を代表する企業が含まれており、米国経済そのものを映す鏡といえる存在です。
- 米国株の約80%をカバー
- 世界中の投資家が注目する指標
- インデックスファンドやETF(VOO・SPY)を通じて投資可能
長期的には右肩上がりを続けていますが、過去には大きな暴落を何度も経験してきました。
↓詳しくはこちら
2. 過去の代表的な暴落とその背景
S&P500は歴史の中で数多くの暴落を経験しました。代表的なものを時系列で見ていきましょう。
2-1. 1929年 世界大恐慌
- 暴落幅:約-86%(最高値から底値まで)
- 原因:株式投機バブル崩壊、銀行破綻、信用収縮
- 回復まで:約25年(1954年に最高値更新)
この暴落は歴史的にも最大規模で、投資家心理に大きな影響を与えました。
2-2. 1973〜74年 オイルショック
- 暴落幅:約-48%
- 原因:中東戦争・原油価格急騰・インフレ・景気後退
- 回復まで:約7年(1980年に最高値更新)
原油価格の高騰が世界経済に深刻な打撃を与えた事例です。
2-3. 2000年 ITバブル崩壊
- 暴落幅:約-49%
- 原因:インターネット関連株の過熱とその崩壊
- 回復まで:約7年(2007年に最高値更新)
ドットコム企業の過大評価と崩壊が、米国株全体に波及しました。
2-4. 2008年 リーマンショック
- 暴落幅:約-57%
- 原因:サブプライム住宅ローン問題、金融機関破綻
- 回復まで:約6年(2013年に最高値更新)
世界的な金融危機であり、S&P500も半値以下に落ち込みました。
2-5. 2020年 コロナショック
- 暴落幅:約-34%(わずか1か月半で急落)
- 原因:新型コロナウイルス感染拡大による経済停止
- 回復まで:約5か月(2020年8月に最高値更新)
史上最速の下落と回復が同時に起きた異例の局面でした。
3. 暴落からの回復と最高値更新のパターン
3-1. 平均すると5〜7年で回復
過去のデータを見ると、S&P500は大きな暴落後も数年以内に最高値を更新する傾向があります。
- 1929年以降:暴落後の回復平均期間は約4〜6年(大恐慌を除く)
- ITバブル・リーマンショック:回復まで約6〜7年
3-2. なぜ回復できるのか?
- 米国経済の成長(人口増加・イノベーション)
- 企業の収益力改善
- 政府・FRBの金融緩和策
- 投資マインドの回復
3-3. 最高値更新は「当たり前」
過去の長期チャートを見ると、暴落後も必ず最高値を更新してきたのがS&P500の特徴です。
この事実は、長期投資家にとって大きな安心材料となります。
4. 投資家が学ぶべき教訓
4-1. 暴落は避けられない
S&P500は過去100年で10回以上の暴落を経験しました。
平均すると5〜10年に1度は大幅調整が起きています。

4-2. 暴落中に売ると損失確定
暴落時に恐怖で売却すると、安値で手放してしまい回復を享受できないのが典型的な失敗例です。
4-3. 長期目線で積立を継続
- 定額積立(ドルコスト平均法)で買い続ける
- 暴落時は多くの口数を買えるチャンス
- 10年以上の長期投資なら暴落リスクを吸収しやすい
4-4. 分散投資の重要性
- 米国株だけでなく、全世界株や債券、不動産(REIT)にも分散
- セクターや地域を広げてリスク軽減
5. 最高値更新を支える要因
5-1. 米国経済の底力
- 世界最大のGDP
- イノベーション企業(GAFA・テスラ・エヌビディア)
- 強力な金融・資本市場
5-2. 人口増加と生産性向上
米国は先進国の中でも人口増加率が高く、労働力と消費市場の拡大が続いています。
5-3. 株主還元の文化
米国企業は自社株買いや配当で株主還元を積極的に行い、株価の下支え要因となります。
5-4. インフレと名目成長
インフレ局面でも、企業収益は名目ベースで成長するため、長期的に指数が上がりやすい構造があります。
6. 2025年現在の状況と今後の見通し
2025年現在、S&P500はAI関連株や半導体ブームを背景に最高値を更新中です。
ただし、金利動向や地政学リスク、米大統領選挙など短期要因で調整もあり得ます。
今後の見方
- 短期:金利や景気減速で乱高下の可能性
- 長期:イノベーションと人口増加で成長基調は継続
- 投資方針:長期積立・分散投資を維持し、暴落時も動じない
7. 暴落と最高値更新から学べること
- 暴落は定期的に起きるが、長期では右肩上がり
- 過去のすべての暴落をS&P500は克服してきた
- 最高値更新は「いつか必ず訪れる」
- 長期積立投資なら暴落も買い場になる
8. まとめ
S&P500指数の歴史は、暴落と最高値更新の繰り返しです。
リーマンショックやコロナショックのように、一時的には大きな恐怖をもたらしますが、米国経済の成長力により長期的には必ず回復し、新たな高値をつけてきました。
暴落=終わりではなく、むしろチャンス。
この事実を理解すれば、感情に左右されず、淡々と積立を続ける投資家が最終的に報われるのです。
↓おすすめインデックスファンドについてはこちら