1. はじめに|オルカンは長期投資の王道
近年、初心者から経験者まで幅広く人気を集めている投資信託がeMAXIS Slim 全世界株式(通称オルカン)です。
1本で世界中の株式に分散投資できるため、「迷ったらオルカン」という言葉も定着しつつあります。
しかし、実際にオルカンを積み立てた場合、どのくらいのリターンが期待できるのか?
本記事では、毎月積立を20年間続けた場合のシミュレーションを行い、長期投資の効果を具体的に見ていきます。

2. オルカンとは?
2-1. 商品概要
- 正式名称:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 運用会社:三菱UFJアセットマネジメント
- 投資対象:先進国・新興国含む全世界の株式
- 信託報酬:年0.05775%(2025年時点)
- ベンチマーク:MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(ACWI)
2-2. なぜ人気なのか?
- 1本で世界約50か国・3000銘柄以上に分散投資可能
- 米国株、日本株、新興国株も含めバランス型の国際分散
- 超低コストで長期投資に最適
- NISA・iDeCo対応で税制優遇が使える
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3. 前提条件|シミュレーション設定
3-1. 積立条件
- 毎月積立額:3万円
- 積立期間:20年間(240か月)
- 投資元本合計:3万円×240か月=720万円
3-2. 想定リターン
全世界株式の過去リターン(1988〜2023)から、年平均5〜7%程度を想定します。
- 悲観シナリオ:年3%
- 標準シナリオ:年5%
- 楽観シナリオ:年7%
3-3. 計算方法
- 毎月積立(複利)でリターンを算出
- 為替変動・暴落時リスクもコメントで補足
4. シミュレーション結果
4-1. 標準シナリオ(年5%)
毎月3万円を20年間積み立て、年5%で運用すると…
約1,230万円(元本720万円 → 運用益510万円)
4-2. 悲観シナリオ(年3%)
年3%で運用した場合…
約980万円(元本720万円 → 運用益260万円)
4-3. 楽観シナリオ(年7%)
年7%で運用した場合…
約1,570万円(元本720万円 → 運用益850万円)

ポイント
- たった2〜4%のリターン差が20年間で数百万円の差に!
- 長期・複利の力で「時間こそ最大の武器」になる
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5. 10年 vs 20年積立の比較
- 10年間(3万円積立・年5%)→ 約460万円
- 20年間(同条件)→ 約1,230万円
→ 20年積立は10年の約2.7倍。
途中でやめるか続けるかで、資産形成の成果が大きく変わることがわかります。
6. 暴落リスクと途中の心構え
6-1. 暴落は避けられない
世界株式でも、
- リーマンショック(2008)
- コロナショック(2020)
- インフレショック(2022)
のように、数十%下落する局面は必ず発生します。
6-2. 積立投資の強み=ドルコスト平均法
下落局面では安く多く買えるため、長期的には平均取得単価が下がりリターン向上につながります。
6-3. 続けるコツ
- 暴落時も積立設定を止めない
- 価格変動に一喜一憂せず20年後の成果を意識する

7. 為替影響と分散効果
オルカンは円建てで購入する投資信託ですが、実際には世界中の株式に投資しておりドル・ユーロ・新興国通貨など複数通貨の影響を受けます。
- 円安時 → 評価額上昇
- 円高時 → 評価額下落
ただし、全世界分散により一部の通貨変動リスクが緩和される点はメリットです。
8. 新NISAでのオルカン積立シミュレーション
新NISA(成長投資枠+つみたて投資枠)を活用すると、
非課税で長期投資が可能。利益に20%課税されないため、同条件でも税引き後リターンが2割増します。
- 例:20年後1,230万円 → 課税口座なら約1,050万円(税引き後)
- NISA口座ならそのまま1,230万円
→ 長期積立こそNISA活用が必須
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9. まとめ|オルカン20年積立は資産形成の最適解
- 20年間毎月3万円積立 → 元本720万円 → 約1,200〜1,500万円に成長
- 世界分散で安定性が高く、初心者も安心して長期投資できる
- 暴落時も積立を止めず、複利効果を最大化することが成功の鍵
- 新NISA活用で非課税メリットを享受すればさらに効率的
オルカンは「全世界株式=世界経済そのもの」への投資です。
人類の経済成長を信じる限り、長期的な右肩上がりを期待できるという点が最大の魅力です。