投資におけるリスクとリターンの関係を解説|初心者が知っておくべき基礎知識

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1. リスクとリターンとは?

投資において「リスク」とは「損をする可能性」だけではなく、「将来の結果が予測と異なる可能性」を指します。つまり、リスクは「振れ幅」のことです。
一方、「リターン」とは投資によって得られる利益のこと。株価の値上がり益や配当金、不動産の家賃収入、債券の利息などが該当します。

投資の世界では、リスクとリターンは密接な関係があり、一般的にリスクが大きいほどリターンの可能性も大きくなる傾向があります。


2. リスクの種類

投資におけるリスクには複数の種類が存在します。それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。

2-1. 価格変動リスク

株式や投資信託、不動産などの価格が市場環境によって上下するリスクです。株式市場では景気や企業業績、金利動向などが影響します。

2-2. 為替リスク

外国株や海外債券など外貨建て資産に投資する場合、為替レートの変動によって円換算の価値が変動します。たとえば1ドル=100円の時に購入した米国株は、円安になれば利益が増え、円高になれば利益が減ることがあります。

2-3. 信用リスク

債券の発行体(国や企業)が約束通り利息や元本を支払えなくなる可能性です。信用力の低い企業ほど金利は高くなりますが、その分リスクも高くなります。

2-4. 流動性リスク

売りたいときにすぐ売れない、あるいは希望の価格で売れないリスクです。特に不動産や出来高の少ない株式はこのリスクが高い傾向があります。

2-5. インフレリスク

物価上昇によって、資産や収入の実質的価値が目減りするリスクです。固定金利の預金や債券などはインフレに弱い場合があります。


3. リターンの種類

投資から得られるリターンも大きく2つに分けられます。

3-1. キャピタルゲイン

保有している資産を購入価格より高く売却することで得られる利益です。株価の値上がりや不動産価格の上昇による利益が代表例です。

3-2. インカムゲイン

資産を保有し続けることで得られる定期的な収入です。株式の配当金、債券の利息、不動産の家賃収入などが該当します。


4. リスクとリターンの関係

投資の世界では「NO PAIN NO GAIN」という言葉がよく使われます。
これは、高いリターンを狙うには、それに見合ったリスクを取らなければならないという意味です。

4-1. リスク・リターンの関係を図で理解

たとえば次のように、資産クラスごとの一般的なリスク・リターンの水準を見てみましょう。

資産クラス年間平均リターンリスク(標準偏差)
預金約0%〜0.1%ほぼなし
国債約0.5%〜1.0%
社債約1.0%〜3.0%低〜中
国内株式約4%〜6%中〜高
海外株式約5%〜8%
暗号資産20%以上非常に高い

※数値は過去の平均的な例であり、将来を保証するものではありません。


5. 分散投資でリスクをコントロール

リスクを完全になくすことはできませんが、コントロールすることは可能です。その代表的な方法が「分散投資」です。

5-1. 資産クラスの分散

株式・債券・不動産など、値動きの異なる資産を組み合わせることで、全体の値動きを安定させます。

5-2. 地域の分散

国内だけでなく海外にも投資することで、特定の国の経済不振に影響されにくくなります。

5-3. 時間の分散

一度にまとめて投資するのではなく、定期的に少しずつ投資する「ドルコスト平均法」により、購入価格を平準化できます。


6. 投資期間とリスクの関係

一般的に、投資期間が長いほど短期的な値動きによる影響を受けにくくなります。
たとえば株式投資では、1年単位ではマイナスになる可能性がありますが、20年間保有すればプラスになる確率が高まるという統計があります。


7. 投資家タイプ別のリスク・リターンの考え方

  • 安定重視タイプ:国債や高格付け社債、インデックスファンドなど低リスク商品中心。
  • バランス型:株式と債券を組み合わせ、リスクとリターンを両立。
  • 積極型:株式比率を高め、リターン重視。短期的な値動きにも耐えられる人向け。

8. 初心者が気をつけるべきポイント

  1. 元本保証はほぼない:預金や一部の保険商品を除き、投資に元本保証はありません。
  2. 短期で儲けようとしない:短期投資はリスクが高く、経験と知識が必要です。
  3. 必ず余裕資金で:生活費や緊急資金を確保した上で投資することが大切です。

まとめ

投資におけるリスクとリターンは切っても切れない関係にあります。
高いリターンを狙えば、それに見合ったリスクを取らなければならず、逆にリスクを抑えればリターンも小さくなります。
重要なのは、自分の投資目的やリスク許容度を明確にし、分散投資や長期保有を基本にすること。
正しくリスクを理解しコントロールできれば、投資は資産形成の大きな味方になります。

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