米国株投資に興味を持つ方々の間で人気が高まっているのが、高配当株に分散投資できるETF「SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)」です。しかし、日本の個人投資家は楽天証券やSBI証券といった国内の証券口座から直接このETFを購入することはできません。そこで登場したのが、「楽天・米国配当株式インデックス・ファンド」、通称「楽天SCHD」です。この投資信託は、米国の高配当株に分散投資するSCHD ETFに連動する成果を目指して運用されており、日本の投資家にとって非常に魅力的な商品となっています。
この記事では楽天SCHDの特徴やメリット、デメリット、活用方法、さらには投資戦略の観点からも徹底的に解説していきます。投資初心者から経験者まで幅広く参考にしていただけるはずです。

楽天SCHDとは?
SCHD ETFとは
SCHDは米国株式市場における高配当銘柄に投資するETFで、銘柄選定には配当の持続可能性や財務健全性が重視されています。そのため、単なる高配当株に偏るのではなく、長期的な成長と安定性を兼ね備えた企業群に投資できるのが特徴です。
楽天SCHDの仕組み
楽天SCHDは、このSCHD ETFの値動きに連動するように設計され、日本円で購入可能な投資信託として提供されています。つまり、為替手数料や海外ETF取引の手間を気にせず、日本の証券口座から気軽に購入できるのが大きなメリットです。
楽天SCHDのメリット
日本円で投資できる
海外ETFを購入する場合、通常は米ドルに両替する必要があります。その際、為替手数料が発生し、取引のハードルが上がります。しかし楽天SCHDは投資信託として円建てで購入可能なため、手軽に米国株式市場にアクセスできます(購入時の話)。

為替リスクを考慮しながら投資可能
楽天SCHDは米国株に投資するため、基本的には為替リスクが伴います。しかし、投資信託としての仕組み上、運用会社が円建てで調整してくれるため、個人投資家がドルを直接売買する必要はありません。為替リスクを理解しながらも、手間なく投資できる点は大きな魅力です。
高配当かつ財務健全な企業に分散投資
SCHDは配当利回りが高いだけでなく、財務の健全性や配当の持続性を考慮した銘柄を組み入れています。これにより安定したインカムゲインを得ながら長期的な資産形成が可能です。楽天SCHDを通じてこの恩恵を享受できます。
少額から始められる
ETFの購入は1口単位ですが、投資信託である楽天SCHDは数百円から積立可能です。これにより投資初心者でも無理なく長期投資を始められます。
楽天SCHDのデメリット
信託報酬がかかる
直接SCHD ETFを購入する場合と比較すると、楽天SCHDには信託報酬(運用管理費用)がかかります。これは年率0.2〜0.3%程度と比較的低水準ではありますが、長期的に見るとコストとして効いてきます。
為替変動の影響を受ける
円建てで購入できるとはいえ、実質的には米国株に投資しているため為替変動の影響を受けます。円高になれば基準価額が下落するリスクがある点を認識しておく必要があります。

楽天SCHDの活用法
積立投資でコツコツ資産形成
楽天SCHDは少額から積立可能なため、毎月一定額を積み立てていく方法が最も効果的です。時間分散の効果を活用することで、価格変動のリスクを抑えながら安定的に資産を増やせます。
老後資金の準備に活用
50代や60代の方が老後資金を準備する手段としても有効です。配当再投資による複利効果で長期的なリターンを狙えるため、退職後の生活費を支える資産基盤づくりに役立ちます。

他の資産クラスと組み合わせる
楽天SCHDは株式投資信託の一種であるため、債券や不動産投資信託(REIT)などと組み合わせてポートフォリオを構築することで、リスク分散が可能です。守りと攻めのバランスを意識した資産形成に最適です。
楽天SCHDと他の米国株投資信託との比較
楽天SCHD以外にも、米国株に投資できる人気の投資信託はいくつか存在します。例えば「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」です。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):米国の代表的な500社に投資でき、分散効果が高い。
- 楽天VTI:米国市場全体に投資でき、成長株から小型株まで幅広くカバー。
これらに対して楽天SCHDは、「高配当株」に特化しているのが大きな違いです。つまり、キャピタルゲイン(値上がり益)よりもインカムゲイン(配当収入)を重視した投資家に適しています。

どんな人に楽天SCHDはおすすめ?
楽天SCHDは以下のような投資家に特におすすめできます。
- 長期的に安定したリターンを得たい人
- 毎月の積立で手軽に米国株投資を始めたい人
- 為替や米ドル建て取引の煩雑さを避けたい人
- 株価の大きな値上がりよりも安定した配当を重視する人
まとめ
楽天SCHDは、日本の投資家が米国の高配当株投資に気軽にアクセスできる投資信託です。円建てで少額から購入できる点や、配当の持続性に優れた企業群に分散投資できる点は大きな魅力です。
一方で信託報酬や為替リスク、分配金の扱いといったデメリットも存在します。そのため楽天SCHD単体に偏るのではなく、他の投資信託や資産クラスと組み合わせてバランスよく運用することが重要です。
「高配当株投資を日本円で簡単に実現したい」という方にとって、楽天SCHDは強力な選択肢となるでしょう。長期的な視点でコツコツと積み立てていくことで、将来の安定した資産形成につながります。