なぜお金持ちは金(ゴールド)に投資するのか?その理由と投資方法を解説

お金

1. お金持ちが「金」に注目する背景

「富裕層は金(ゴールド)を保有している」と聞いたことがある方は多いでしょう。
株式や不動産と並び、金は昔から資産防衛の手段として重宝されてきました。

2020年以降のコロナショックや、2022年以降の世界的なインフレ、地政学リスクの高まりにより、金価格は歴史的高値を更新しています。特に資産を多く持つお金持ちは、なぜ金に投資するのでしょうか?


2. 金の本質的な価値とは?

2-1. 有史以来の価値保存手段

金は数千年前から通貨や宝飾品として利用され、価値の保存手段としての役割を担ってきました。
紙幣やデジタル通貨とは異なり、実物資産であり、価値がゼロになるリスクが極めて低いのが特徴です。

2-2. 発行体リスクがない

株式債券は発行元の企業や政府の信用に依存しますが、金は誰の負債でもない資産です。
そのため、世界情勢が不安定なときや金融危機時に「駆け込み需要」が生じます。


3. お金持ちが金に投資する理由

3-1. 資産防衛(インフレヘッジ)

インフレが進むと紙幣の価値は下がりますが、金は相対的に価値が上昇する傾向があります。
富裕層は多額の現金を持つため、インフレによる資産目減りを避けるために金を保有します。

  • 例:米ドルの購買力が下がっても、金価格が上がることで価値を維持

3-2. 分散投資によるリスク低減

富裕層は資産を「株式」「債券」「不動産」などに分散していますが、その中でも金は株式や債券と逆相関になりやすい資産です。

  • 株価下落時 → 金価格が上がる傾向
  • 株価上昇時 → 金は横ばい or 下落傾向

この特性により、ポートフォリオ全体のリスクを下げる効果があります。


3-3. 有事の資産逃避先

戦争・金融危機・パンデミックなど、世界的な危機が発生すると、安全資産として金に資金が集まることが歴史的にも確認されています。

  • 2008年リーマンショック時:株価急落、金価格上昇
  • 2020年コロナショック時:株価急落後、金が最高値更新

3-4. 通貨価値下落への備え

日本円や米ドルなどの法定通貨は、中央銀行の金融政策次第で価値が大きく変動します。
富裕層はこのリスクを理解しており、通貨に依存しない資産として金を保有します。


3-5. 長期的な資産継承

金は腐らない・劣化しない・世界中どこでも価値があるため、資産を次世代に引き継ぐ手段としても有効です。富裕層は、金を「長期的な財産」として保有する傾向があります。


4. 金投資のメリット

4-1. 世界共通の価値

金はどの国でも価値が認められており、国境を越えて換金できます。

4-2. 無リスク資産としての信頼性

金は信用リスクゼロの資産であり、国や企業の破綻に左右されません。

4-3. インフレ耐性

物価上昇時に強く、資産の購買力を守る役割があります。

4-4. ポートフォリオの安定化

株式や債券と異なる値動きをするため、リスク分散に効果的。


5. 金投資のデメリット・注意点

5-1. 配当や利息がない

金は保有してもキャッシュフローを生まないため、価格上昇によるキャピタルゲインのみが利益源です。

5-2. 保管コスト・盗難リスク

現物の金を保有する場合は保管費用や盗難リスクがあります。

5-3. 短期的な価格変動

安全資産といわれる金も、短期的には投機資金の影響で価格変動が大きいことがあります。


6. 金投資の方法(初心者〜富裕層向け)

6-1. 現物(金地金・金貨)

  • メリット:発行体リスクなし、手元に残る安心感
  • デメリット:保管・盗難リスク、売買手数料

6-2. 金ETF(上場投資信託)

  • 東京証券取引所:純金上場信託(1540)
  • 米国市場:SPDR Gold Shares(GLD)

株式と同じ感覚で売買でき、保管の手間が不要。


6-3. 金積立(純金積立)

  • 月1,000円〜積立可能
  • 平均購入単価を平準化できるドルコスト平均法

6-4. 金先物・CFD(上級者向け)

  • レバレッジをかけて短期売買
  • 価格変動リスクが大きく、初心者には不向き

7. 富裕層の金投資戦略

7-1. 資産全体の数%〜10%程度を金で保有

  • 富裕層は株式・不動産などのリスク資産が多いため、ヘッジ資産として金を数%保有する傾向があります。

7-2. 有事・インフレ時に買い増し

  • 危機時に金価格が上がる特性を利用し、守りの資産として活用。

7-3. 世代間の資産継承用

  • 金貨や地金は、相続財産として分割しやすい点も評価されています。

8. 金投資を始める際のポイント

  1. 目的を明確にする(インフレ対策?資産分散?)
  2. 投資比率を決める(全資産の5〜10%が目安)
  3. 長期保有を前提にする(短期の値動きに惑わされない)
  4. 現物・ETF・積立など方法を比較
  5. 為替の影響も考慮する(ドル建て金価格+円相場)

9. まとめ

お金持ちが金に投資するのは、資産を増やすためというより守るためです。

  • インフレや通貨下落への備え
  • 株式・不動産との分散効果
  • 世界中どこでも価値が通用する安全資産

これらの理由から、富裕層は金を資産の保険としてポートフォリオに組み込んでいます。

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