なぜ高配当株投資を選ぶのか?メリット・デメリットからおすすめの選び方まで解説

投資

高配当株とは?

高配当株とは、株主に支払われる配当金の利回りが高い株式のことを指します。

具体的には、配当利回りが3〜5%以上の銘柄が「高配当株」と呼ばれることが多いです。

配当金は企業の利益の一部を株主に還元する仕組みであり、安定した収入源を得たい投資家に人気があります。

特に近年は、インフレや老後資金対策の観点からも注目度が高まっています。


高配当株の魅力(メリット)

安定したキャッシュフローを得られる

高配当株に投資すると、株価が上がらなくても配当金で収入を得られる点が魅力です。

たとえば、配当利回り4%の株に100万円投資すると、年間4万円の配当金を受け取れます。

再投資で複利効果が期待できる

受け取った配当金を再投資することで、複利効果が働きます。

  • 初年度:100万円×4%=4万円
  • 翌年:104万円×4%=4万1600円
  • 10年後には元本+配当で大きな差が生まれます。

値動きが比較的安定している

高配当株は成熟企業が多く、景気変動に強く株価が安定しやすい傾向があります。

特に生活必需品やインフラ関連企業は安定配当を続けることが多いです。


高配当株のデメリット・リスク

株価の成長性が低い場合がある

高配当株は成熟企業が多いため、成長株のような株価上昇は期待しにくい傾向があります。

減配リスク

企業業績が悪化すると、配当が減額(減配)または無配になるリスクがあります。

特に景気に左右されやすい業種は要注意です。

高配当=安全ではない

配当利回りが極端に高い銘柄は、株価下落によって利回りが高く見えるだけの「罠銘柄」の可能性もあります。

財務健全性のチェックが必要です。


高配当株の利回りの計算方法

配当利回りは次の式で求めます:

配当利回り(%)= 1株あたりの年間配当金 ÷ 株価 × 100

株価1,000円、年間配当50円の場合:

  • 50円 ÷ 1,000円 × 100 = 5%

高配当株の選び方

配当利回りだけで選ばない

高配当株投資の初心者が陥りやすいのが、利回りだけ見て投資することです。

利回りが高い=株価が低迷している可能性もあるため、企業の利益や財務状態、配当性向もチェックする必要があります。

配当性向を確認する

配当性向(=利益に対する配当の割合)が30〜50%程度が理想的。

100%近い場合は、利益をほぼすべて配当に回しており、将来の成長投資ができない懸念があります。

財務健全性を見る

自己資本比率や負債比率をチェックし、安定して配当を出せる企業かどうかを見極めます。

業種分散する

金融・エネルギー・インフラなど複数業種に分散することで、特定セクターの不調リスクを軽減できます。


日本の代表的な高配当株(2025年時点)

※利回りは執筆時点の目安であり、変動します。

日本たばこ産業(JT/2914)
国内外でたばこ事業を展開する大手。2025年12月期の予想配当は1株あたり208円で、配当利回りは約4.3%と高水準です。

積水ハウス(1928)
大手住宅メーカー。2026年1月期の予想配当は1株144円で、配当利回りは約4.1%。14期連続で増配しており、安定感が魅力です。

ジャックス(8584)
クレジットやファイナンス事業を手がける企業。2026年3月期予想配当は1株200円、配当利回りは約4.5%で、株主還元に積極的です。


米国の人気高配当株・ETF

米国株は配当文化が根付いており、長期的に増配を続ける企業が多いです。

コカ・コーラ(KO)

  • 配当利回り:約3%
  • 60年以上増配を続ける「配当王」

ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)

  • 配当利回り:約2〜3%
  • 医薬・生活用品で安定した収益

VYM(バンガード高配当ETF)

  • 米国高配当株を400銘柄以上に分散投資
  • 配当利回り:約3%

SPYD(S&P500高配当ETF)

  • S&P500の中から高配当株80銘柄に投資
  • 配当利回り:約4%前後

高配当株投資の戦略

長期保有で配当を積み上げる

高配当株は短期売買ではなく、長期で配当を受け取り続ける戦略が基本です。

配当再投資で複利効果を最大化

配当を使わず再投資することで、複利で資産が増加します。

ETFを使えば自動で再投資する仕組み(分配金再投資型)も活用できます。

積立投資と組み合わせる

毎月一定額ずつ買い増す「ドルコスト平均法」を活用すれば、購入タイミングを分散できリスクを軽減できます。


高配当株投資の注意点

  • 減配・無配リスクを想定して複数銘柄に分散する
  • 配当利回りが高すぎる銘柄は要注意(株価下落の兆候かもしれない)
  • 税金(国内株20.315%、米国株は二重課税)を考慮する
  • 為替リスク(米国株の場合)も考慮する

まとめ

高配当株は、配当収入を得ながら長期的に資産形成できる魅力的な投資手法です。

特に、安定収益を持つ優良企業に分散投資することで、株価の変動に左右されにくいポートフォリオを構築できます。

ただし利回りの高さだけでなく、企業の財務健全性・配当性向・業績の安定性をしっかり確認することが重要です。

高配当株投資を長期で続けることで、将来的には配当金だけで生活費をまかなう「配当生活」も夢ではありません。

杉山も総資産の半分以上が高配当株とETFです。

より良い未来を目指して一緒にコツコツと積み上げていきましょうね。

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