会社概要
大和工業は鉄鋼メーカーです。
本社は兵庫県姫路市にあります。
主力製品はH形鋼。
建設向けの鋼材に強みがあります。
鉄道関連の鋼材も製造。
鋼矢板や山形鋼なども展開しています。
グループ全体の規模は大きく、年間約600万トンの形鋼を生産しています。
これは日本企業としてはトップクラス。
特徴は海外収益です。
経常利益の半分以上を海外で稼いでいます。
2014年以降は経常利益率10%以上を維持。
これは鉄鋼業界では高水準で、競争力の高さを示しています。

過去の業績推移
大和工業の売上は安定しています。
おおよそ1,500億円から2,000億円の範囲です。
鉄鋼業界の中では比較的安定感があります。
営業利益は変動がありますが、全体的には高い水準です。
利益率の安定性が特徴ですね。
では、具体的な実績を見てみましょう。
2023年3月期
- 売上高:約1,804億円
- 営業利益:約168億円
- 経常利益:約905億円
- 当期純利益:約653億円
- ROE:約16.5%
この期は高収益でした。
ROEも16%超と高水準です。
2024年3月期
- 売上高:約1,634億円(前期比 −9.4%)
- 営業利益:約173億円(前期比 +2.8%)
- 経常利益:約992億円(前期比 +9.6%)
- 当期純利益:約700億円(前期比 +7.2%)
売上は減少、利益は増加しました。
効率性の改善が要因です。
特にROEの高さは注目です。
自己資本比率が高い中で高ROEの実現は、資本効率の良さが見えます。
最新決算(2026年3月期 第1四半期)
2026年3月期の第1四半期はどうだったのでしょうか。
- 売上高:約392億円(前年同期比 +15.1%)
- 営業利益:前年同期比 −28.5%
- 経常利益:前年同期比 −57.7%
- 四半期純利益:前年同期比 −66.4%
売上は大きく増加しました。
しかし利益は大きく減少。
厳しい収益環境でした。
背景にはASEANでの競争激化があります。
需要の低迷も影響しました。
ただし自己資本比率は80%以上を維持しています。
財務の安定性は損なわれていません。

投資指標
2025年9月時点の株価はおよそ1万円台です。
時価総額は6,500億円規模。
主要な指標は次の通りです。
- PER(予想):約18.4倍
- PBR:1.19倍
- 配当利回り(予想):約3.9%
- EPS(予想):約550円
- BPS:約8,500円
- ROE:約5.9%
- 自己資本比率:約84%
PERはやや高め。
一方でPBRは1倍台です。
資産価値から見れば割安感があります。
配当利回りは4%前後で高めです。
工業株としては平均的な株主還元率でしょう。
自己資本比率が80%以上という点も特徴。
強固な財務基盤を誇ります。
財務体質の強さ
大和工業の財務は非常に健全です。
自己資本比率は80%以上です。
これは国内鉄鋼メーカーの中でも高い水準です。
借入金依存度は低く、外部環境が悪化しても耐久性があります。
利益剰余金も積み上がっています。
将来の投資余力も十分。
株主還元にも余力があるのは株主としてありがたいことですね。

事業の強み
大和工業の強みは2つ。
ひとつはグローバル展開。
もうひとつは高い利益率です。
海外での販売網を多数持っていますので、多地域での収益分散が可能。
H形鋼での競争力も高く、市場シェアを確立しています。
事業の課題
もちろん課題もあります。
鉄鋼業界は景気敏感です。
景気が悪化すれば需要も落ち込みます。
建設需要やインフラ投資が減少すれば売り上げも下がるでしょう。
業績は市況に大きく左右されます。
また、海外展開には為替や政治、地政学的リスクがあります。
投資家視点での注目点
大和工業は中長期投資に向きます。
ROEの高さは魅力的。
配当利回りも高め。
自己資本比率も高く安心感があります。
短期的には市況の影響を受けやすいです。
鉄鋼需要や価格変動に注意が必要ですね。
世界的なインフラ投資の流れがあります。
再開発需要の増加も追い風です。
こうした波に乗れるかが焦点です。
杉山としては今の株価は高すぎるので、大きく値下がりしたら買い増したい銘柄です。

まとめ
大和工業は形鋼に強みを持つ鉄鋼メーカー。
海外展開で利益の半分以上を稼ぎ出しています。
自己資本比率は80%以上!極めて健全です。
業績は市況の影響を受けます。
配当利回りも高く、株主にとって魅力的です。
鉄鋼業界の中では安定感のある企業です。
財務健全性と収益力。
投資家にとって注目すべき銘柄といえるでしょう。
値下がりを楽しみに待ちましょうね!