豊田合成はトヨタグループの自動車部品メーカーです。
樹脂部品やゴム部品、内外装品を中心に開発・製造しています。
自動車業界のEVシフトや軽量化ニーズに対応し、世界的に事業を展開しています。
今回は、豊田合成の株価指標や財務状況を初心者にもわかりやすく解説します。

株価水準とPER
豊田合成の予想PERはおよそ12倍台です。
PERとは、株価が企業の一株当たり利益の何倍であるかを示す指標です。
一般的に15倍前後が平均とされるため、豊田合成のPERはやや割安に見えます。
投資家にとっては、利益に対して株価が抑えられている銘柄といえます。
ただし、PERは業界の景気動向や一時的な利益変動でも変化します。
そのため単独で判断せず、業界平均や他の自動車部品メーカーと比較することが大切です。
PBRと純資産との比較
豊田合成のPBRは1倍を下回る水準です。
PBRは株価と一株当たり純資産を比較する指標です。
1倍を下回ると、市場がその企業の純資産価値を割安に評価していると解釈できます。
これは投資妙味のある水準ですが、資産を十分に活かせていない可能性も含んでいます。
製造業は設備投資が大きく、固定資産が多い傾向があります。
したがって、資産効率の改善が進むかどうかが今後の株価評価に影響します。

ROEと収益性の評価
ROEは株主資本利益率を示す指標です。
豊田合成のROEは6〜7%台とやや低めです。
日本企業の平均値と同程度ですが、欧米企業と比較すると見劣りします。
ROEは高いほど株主資本を効率的に利益に変えていることを意味します。
中長期で株主価値を高めるためには、営業利益率の改善や資本効率の向上が求められます。
配当と株主還元
豊田合成の予想配当利回りは約3%弱です。
配当は安定しており、長期保有の投資家にとって魅力的です。
自動車部品業界は景気変動の影響を受けやすいですが、豊田合成は安定的に配当を維持。
配当性向は適度であり、利益の中から株主に還元しつつ、成長投資に回すバランスを取っています。
安定配当を志向する投資家には適した銘柄といえるでしょう。
売上高と営業利益の推移
直近の売上高は1兆円規模に達しています。
営業利益は600億円台で推移。
営業利益率は6%前後と、製造業としては標準的な水準です。
自動車業界の需要変動や原材料コストの高騰によって、利益は変動する可能性があります。
近年はEV向け部品や軽量化素材の需要が拡大しており、新規分野での成長も期待されています。
財務の安定性
自己資本比率はおよそ60%前後です。
製造業としては高めの水準であり、財務基盤は安定しています。
借入依存度も低く、健全性は比較的高いと言えるでしょう。
流動比率は200%を超え、短期的な支払い能力にも余裕があります。
この点から、景気変動があっても耐久力のある企業と評価できますね。
成長戦略と今後の展望
豊田合成はEV市場への対応を強化しています。
バッテリー部品や軽量樹脂製品など、新しい需要に応える製品開発を進めています。
また、ADAS(先進運転支援システム)向け部品にも注力。
トヨタグループとの連携は強固であり、安定した取引基盤を持っています。
世界的なカーボンニュートラルの流れに沿った製品開発が進めば、長期的な成長も期待できます。
投資リスク
一方でリスクも存在します。
・原材料価格の高騰
ゴムや樹脂価格が上昇すれば、利益率が低下する可能性があります。
・為替リスク
海外売上比率が高いため、円高が進むと収益が圧迫されます。
・自動車業界全体の需要減少
特に日本市場は縮小傾向にあり、新興国市場の成長に依存する面があります。

まとめ
豊田合成(7282)は、自動車部品分野で世界的に展開する企業です。
PERは12倍前後、PBRは1倍未満と割安な水準です。
ROEは6〜7%で、効率性には改善余地があります。
配当利回りは3%弱と安定しており、株主還元にも力を入れています。
値下がりして配当利回りが上がったところを拾っていきたいですね。
売上高は1兆円規模で推移し、営業利益は600億円台を維持。
自己資本比率は60%前後と高く、財務は健全です。
EV関連や新素材の需要拡大に応えることで、今後の成長が期待できます。
ただし、原材料高や為替変動などのリスクも意識する必要があります。
全体として、割安株としての魅力と安定配当を兼ね備えた銘柄といえるでしょう。