会社概要と事業内容
オリックスは「その他金融業」に分類される総合リース大手企業です。
リース事業、保険、銀行、環境エネルギー、不動産など、多角的な金融サービスを手掛けています。
国内のみならず海外事業にも進出しており、収益源の分散が強みです。
金融市場の変化や規制を受けやすい業態ですが、その分適応力とリスク分散力が評価されます。

株価の現状と時価総額
最新の株価は およそ3,977円。
時価総額は 約4兆6,200億円台。
株価は年初来でも上下動があり、市場全体の動きや投資家心理の変化に敏感です。
売買出来高も比較的多く、流動性は十分に確保されています。
PER(予想株価収益率)
会社予想ベースでのPERは 11.9倍前後。
この水準は金融セクターの中では中庸からやや割高感もあるが、業績見通しが堅調であれば合理的といえます。
過去のレンジと比較すると、最低PER下限・平均PERと比べてやや高め寄りです。
利益予想の変化がPERに影響を与えやすいため、直近決算の増益内容が注目されています。

PBR(株価純資産倍率)
実績ベースのPBRは 1.09倍。
1倍を少し上回るこの水準は、帳簿上の純資産に対して株価がそれほど割高とは言えない位置です。
ただし、資産の質・含み損の可能性・貸倒引当金なども確認が必要です。
株価が純資産以上を期待されているかどうか、市場の評価が見えやすい指標です。
配当金と配当利回り
オリックスの予想配当(1株あたり)は 120.01円。
これを株価で割ると配当利回りは 約3.02%です。
配当利回り3%前後は、金融株としてはまずまずの水準であり、投資家にとって魅力があります。
過去数年の配当金推移を見ても、増配と安定配当のバランスを取ってきている印象です。
ROE・ROAなど収益性指標
実績ベースでのROEは 約8.76%。
実績ROAは 約2.12~2.24%。
これらの指標は、自社資本や総資産をどれだけ効率よく使えているかを示します。
金融業種としては、まずまずの収益効率を保っていると言えます。
財務健全性と自己資本比率
自己資本比率は実績で 約24.2%。
リース業や金融業が主軸ですので、自己資本率は低く算出されます。
資本の余力は一定程度ありますが、金利変動や借入負担に対するリスクは存在します。
債務構造、借入金利の負荷、キャッシュ・フローなどを併せてチェックする必要があります。
過去の配当推移と株主還元の傾向
過去10年余りでオリックスの配当利回りは2%前半から5%近くまで変動しています。
特に配当合計(中間+期末)の金額が過去数年で上昇傾向にあります。
配当性向は30~50%と好ましい水準で推移。
株主還元を重視する姿勢は一定しています。
安定配当を続けてきており、将来も同様の傾向が期待されます。
メリットとリスク要因
メリットとしては、多角的事業ポートフォリオ・安定した配当・収益性の良さなどがあります。
一方、リスクとしては金利の上昇・借入負担・景気変動・為替影響などが挙げられます。
また、資産運用セグメントや環境エネルギー事業の投資回収が期待通りにならない可能性も。
事業投資先の選定が今後の株価・業績に大きく影響します。

まとめ
オリックスは、配当利回り3%前後・PER11~12倍・PBR1.1倍ほどで評価されており、安定収入志向の投資家には候補となる銘柄です。
ただし「理論株価」と市場価格との乖離・リスク要因を十分理解したうえで投資判断すべきです。
中長期保有を考えるなら、決算内容・配当政策・財務健全性を継続的にモニタリングすることが重要でしょう。