企業概要
オカムラ(証券コード7994)は、日本を代表するオフィス家具メーカーです。
1945年の創業以来、長年にわたり国内外のオフィス環境を支えてきました。
主力事業はオフィス家具です。
デスクやチェア、パーティションなど、オフィスに欠かせない製品を幅広く展開しています。

業績の推移
2025年3月期の売上高は約3,145億円でした。
前年の2,984億円から増加し、5%を超える成長です。
営業利益は239億円で、ほぼ横ばいとなりました。
物価上昇やコスト高の影響を受けながらも利益を維持しています。
経常利益は264億円と、前年よりやや増加。
安定した収益力を確保できている点が評価されます。
純利益は220億円で、前年より約9%増加。
これは、コスト管理や販売力の強化が功を奏した結果です。
全体として「堅実な成長」といえる内容です。
大幅な伸びはないものの、安定性を重視する投資家に好まれる業績です。
予想業績と成長見通し
会社は2026年3月期の売上高を3,300億円と予想しています。
前期比で約5%の増加です。
営業利益と経常利益も増益予想。
経常利益は約295億円を見込んでおり、前年から2桁成長となる見通しです。
純利益もわずかながら増加予想です。
利益成長の継続が期待されています。
背景には、オフィス需要の回復があります。
在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせる「ハイブリッドワーク」の普及により、新しいオフィス設計が求められています。
オカムラはその分野で強みを発揮できる企業です。

株価指標(PER・PBR・ROE・ROA)
オカムラの予想PERは約10倍です。
株価が利益の10年分程度で評価されていることを意味します。
同業他社と比較しても割安感があります。
安定した利益成長を背景に、投資妙味がある水準です。
PBRは1.2倍程度。
純資産と比べて株価がやや高めですが、許容範囲といえます。
ROEは12%前後です。
株主資本を効率的に活用しているといえます。
ROAは7%程度で、総資産に対する収益力も十分です。
効率的に資産を運用できている点は高く評価できます。
配当と株主還元
オカムラの予想配当利回りは約4.3%です。
高配当株として投資家から注目されています。
2025年度の1株配当は94円を予定。
前年より増配となり、株主還元姿勢の強さがうかがえます。
配当性向は40%前後。
無理のない範囲で安定配当を実現しています。
近年は連続増配を継続しています。
4期連続の増配は、投資家に安心感を与えます。
株主にとって「安定的に配当を得られる銘柄」としての魅力は大きいです。

財務健全性
自己資本比率は64%前後と高水準です。
借金に依存せず健全な財務基盤を築いています。
有利子負債は限定的で、返済リスクは低いです。
資金繰りに不安はほとんどありません。
内部留保も十分に確保。
将来の設備投資や研究開発にも積極的に取り組める体力があります。
財務健全性は長期投資を考えるうえで大きな安心材料です。
オカムラの強み
オカムラはオフィス家具の分野でトップクラスのシェアを誇ります。
長年培ったブランド力と信頼性があります。
製品はデザイン性と機能性を兼ね備えています。
快適なオフィス環境を提供するという点で高く評価されています。
また、商環境事業や物流システム事業を展開していることも強みです。
複数の収益源を持つことで、景気変動の影響を緩和できます。
さらに、グローバル展開も進んでいます。
アジアを中心に市場を拡大しており、中長期的な成長が期待されます。

今後注意すべきリスク
一方で注意点もあります。
原材料価格の上昇はコストを押し上げます。
物流費の増加も収益を圧迫する可能性があります。
景気後退局面ではオフィス投資が減少します。
需要が縮小すると売上減につながります。
また、為替変動もリスク要因です。
海外展開を進める中で、為替の影響を受けやすくなっています。
これらのリスクを踏まえた投資判断が必要です。
投資家にとっての魅力と判断材料
オカムラは、安定した業績と高い株主還元を両立しています。
配当利回り4%超は魅力的です。
PER10倍前後という水準は割安感があります。
財務の健全性も高く、長期保有に向いた銘柄といえます。
将来的な成長力は大きくはないかもしれません。
しかし「安定して利益を出し続ける」ことに強みがあります。
杉山と同じく、長期的に安定した収益を得たい投資家に適した銘柄です。