村上開明堂は、自動車用ミラーを主力とする自動車部品メーカーです。
国内外の自動車メーカーに製品を供給しています。
トヨタをはじめとする大手との取引実績があり、安定した需要基盤を持ちます。
輸送用機器分野に属し、景気や自動車販売動向に業績が左右されやすい特徴があります。
この記事では株価指標や財務指標を中心に、村上開明堂の投資魅力を解説します。

株価指標の概要
予想PERは約13.9倍です。
実績PERもほぼ同水準の13.5倍前後です。
PERは株価が一株当たり利益の何倍かを示します。
日本市場では15倍前後が平均的な水準とされています。
村上開明堂のPERはやや割安水準に位置しています。
成長株と比べれば低めですが、安定株としては適正な水準です。
PBRと資産評価
PBRは約0.92倍です。
PBRが1倍を下回ると、株価が純資産を割安に評価されていることを意味します。
資産内容に対して株価が低い評価を受けている可能性があります。
一方で、資産を十分に活かせていない懸念も含まれます。
製造業は固定資産が多く、設備投資の負担が大きいのが特徴です。
したがって、今後の資産効率の改善が株価評価に影響を与えるでしょう。

配当利回りと株主還元
予想配当利回りはおよそ3.0%前後です。
製造業の中では高めの利回り水準といえます。
安定配当を維持しており、長期保有投資家にとって魅力的です。
配当性向も適度であり、無理のない範囲で還元。
利益を株主に還元しつつ、内部留保を活用して事業投資を行っています。
長期投資家にとって安定性が評価されるポイントです。
ROEとROAの収益性
ROEは自己資本利益率を示します。
村上開明堂のROEは6.6%から7.7%程度です。
効率性としてはまずまずであり、安定しています。
一方で欧米企業と比較するとやや見劣りしますね。
ROAは総資産利益率を表します。
およそ5.1%から5.2%程度の水準です。
資産全体に対して安定した利益を出していると評価できます。
製造業としては平均的で、財務効率は悪くありません。

売上高と利益の推移
売上高は前期比で約4.4%増加しました。
営業利益も増益を達成しています。
経常利益は堅調に推移しました。
親会社株主に帰属する純利益は前期比0.95%の増加です。
売上・利益ともに安定成長の傾向を示しています。
自動車販売動向の影響を受けながらも、収益を確保できています。
財務基盤の健全性
自己資本比率は77%前後と高めの水準です。
製造業としては十分な財務健全性を保っています。
総資産は安定的に増加。
現預金の水準も年々上がっています。
有利子負債の依存度は非常に低く、財務リスクは小さいです。
流動比率も適正で、短期的な支払い能力にも問題はありません。

成長性の評価
過去10年間で売上高は約1.7倍に成長しました。
純利益もおよそ1.2倍の水準に伸びています。
年平均成長率は売上で5%超。
純利益は年平均2%前後です。
売上の拡大が先行し、利益成長はやや緩やか。
成長の柱は自動車部品需要の拡大にあります。
特にミラー関連製品は安全機能強化により需要が堅調。
労務環境と従業員データ
従業員数は連結ベースで約3,700人規模です。
平均年収はおよそ680万円前後とされています。
勤続年数や平均年齢も安定した推移を見せています。
人材面でも長期安定雇用が特徴です。

投資リスクの整理
原材料コストの上昇は収益を圧迫するリスクです。
特に鋼材・樹脂価格の高騰は影響が大きいです。
自動車市場の景気後退も注意が必要です。
為替変動が利益を大きく左右する可能性も。
競合他社との競争も厳しく、コスト削減や技術革新が必須です。
環境規制やEV化の流れに対応できるかも今後の課題です。
総合評価とまとめ
村上開明堂(7292)は、自動車部品メーカーとして安定した業績を維持しています。
PERは13.9倍前後、PBRは0.92倍と割安感があります。
配当利回り3%前後、連続増配は長期保有投資家に魅力です。
ROE・ROAは平均的で安定しています。
売上成長は堅調で、利益も緩やかに拡大しています。
財務は健全であり、リスク耐性も十分です。
原材料高や自動車市場の変動といったリスクには注意が必要ですね。
それでも現在の株価水準からしてみれば、割安性と安定性を兼ね備えた堅実な投資先として注目されます。