1. HDVとは?

HDVとは、iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(iShares Core High Dividend ETF)のことです。
米国株の中でも、財務が健全で安定した高配当株に投資できるETFとして、日本の個人投資家にも人気があります。
- 運用会社:ブラックロック(世界最大の資産運用会社)
- ティッカー:HDV
- 設定日:2011年3月
- ベンチマーク:モーニングスター配当フォーカス指数
- 配当利回り:約3〜4%(時期による変動あり)
- 分配頻度:年4回(3月・6月・9月・12月)
米国ETFの中でも、安定した高配当と財務健全性を重視した設計が特徴です。
2. HDVの投資対象と構成
HDVが連動するモーニングスター配当フォーカス指数は、
以下の基準で銘柄を選定しています。
- 米国市場の大型株を対象
- 財務健全性のスクリーニング(破綻リスクの低い企業)
- 高い配当利回りを持つ企業
- 毎年6月と12月に銘柄を入れ替え
主な構成銘柄(2024年時点の例)
- エクソンモービル(エネルギー)
- シェブロン(エネルギー)
- ジョンソン&ジョンソン(ヘルスケア)
- ベライゾン(通信)
- ファイザー(ヘルスケア)
エネルギー・ヘルスケア・通信など、景気変動に強いディフェンシブ銘柄が多いのが特徴です。
3. HDVの特徴
特徴1:高配当かつ安定志向
- 配当利回りは3〜4%前後
- 財務健全性のフィルターにより、倒産リスクが低い企業が中心
特徴2:分散投資が可能
- 約70〜80銘柄に分散
- セクターはエネルギー・ヘルスケア・通信が多め
特徴3:低コスト
- 信託報酬(経費率)は0.08%と非常に低コスト
特徴4:四半期ごとの配当
- 3月・6月・9月・12月に分配金を受け取れる
- 配当金生活を目指す投資家に人気
4. HDVが人気な理由
理由1:安定した高配当が魅力
- 高配当株ETFの中でも、3〜4%の安定した利回り
- 配当収入を得ながら長期保有しやすい
理由2:財務健全性を重視した銘柄選定
- 破綻リスクの低い優良企業に厳選投資
- リーマンショック級の下落でも耐えやすい設計
理由3:景気変動に強いディフェンシブ銘柄が中心
- エネルギー・ヘルスケア・通信は生活必需セクター
- 不況時でも業績が安定しやすい
理由4:低コストで米国高配当株に投資できる
- 経費率0.08%は業界最低水準
- 長期投資でコスト差が効率に影響
理由5:配当金をドルで受け取れる
- ドル資産を積み立て、将来の海外旅行・留学・移住などにも活用可能

5. HDVと他の高配当ETFの比較
米国高配当ETFの代表格にはHDVのほかにVYMやSPYDがあります。
ETF名 | 特徴 | 配当利回り | セクター構成 |
---|---|---|---|
HDV | 財務健全性重視、ディフェンシブ多め | 約3〜4% | エネルギー・ヘルスケア・通信 |
VYM | 幅広い高配当銘柄、分散性高い | 約3% | 金融・消費・ヘルスケア |
SPYD | 高配当上位80銘柄、利回り高め | 約4〜5% | 不動産・金融・エネルギー |
HDVは安定性重視、SPYDは利回り重視、VYMはバランス型というイメージです。
6. HDVのメリット
- 安定した高配当でインカムゲインが狙える
- 財務健全な企業に絞られ、倒産リスクが低い
- セクターがディフェンシブ寄りで不況に強い
- 低コストで長期保有に向いている
- 四半期ごとの分配金でキャッシュフローを確保できる
7. HDVのデメリット・注意点
- 株価の成長性はS&P500などより低め
- エネルギーセクターの比率が高く、原油価格に影響を受けやすい
- 配当金はドル建てで、日本円に換算すると為替リスクあり
- 銘柄入れ替え時に構成比率が大きく変動する可能性
8. HDVを活用した投資方法
8-1. 長期保有で配当金を再投資
- 配当金をそのまま再投資し、複利効果で資産を増やす
8-2. 配当金生活の基盤として活用
- 年間数百万円規模の投資で、四半期ごとの配当を生活費に充当
8-3. VYMやSPYDとの組み合わせ
- 安定性のHDV+バランス型のVYM+高利回りのSPYDで分散効果

9. まとめ
HDVは、安定した高配当と財務健全性を兼ね備えた米国ETFです。
エネルギー・ヘルスケア・通信などディフェンシブセクター中心の構成で、
景気変動に強く、長期保有に適しています。
- 安定した配当収入を得たい人
- 米国株の中でもディフェンシブな銘柄に投資したい人
- VYMやSPYDと組み合わせて高配当ポートフォリオを作りたい人
こうした投資家にとって、HDVは非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。