円安時代の資産運用はどうすべき?ドル建て資産買っていい?

資産運用の考え方を見直そう

円安が進むと海外のものが高く感じる一方で、投資のチャンスも広がります。

2025年の今、日本円の価値が相対的に下がり続けている状況では「円だけで資産を持つこと」が大きなリスクになります。

とはいえむやみに外貨資産を増やせば、為替変動による損失を受ける可能性もあります。

円安時代の資産運用では「タイミングを見ながら慎重にドル建て資産を取り入れる」ことが重要です。


円安がもたらすメリットとデメリット

円安は、海外投資家にとって日本資産を買いやすくするため、株価が上がりやすいというメリットがあります。

輸出企業の業績が改善し、日経平均が上昇しやすくなる傾向もあります。

一方で、輸入品の価格上昇によって物価が上がり、家計への負担が増すのがデメリットです。

また、円の価値が下がると、円建て資産の「実質的な購買力」も下がってしまいます。

円安は一時的な現象ではなく、経済構造の変化によって長期化する可能性もあるため、資産の分散が欠かせません。


円建て資産を軸にする理由

まずは生活基盤である日本円を中心に資産を管理することが大切です。

円建て資産とは、現金、定期預金、日本株、国内債券などを指します。

これらは為替の影響を直接受けないため、資産全体の安定性を確保できます。

特に生活防衛資金や短期的な支出に備える部分は円建てで確保しておくことが基本です。

資産のベースが安定していれば冷静な判断ができるでしょう。


為替レートを見ながら分散投資を考える

資産の一部を外貨建てで保有することも、円安リスクへの対策として有効です。

しかし重要なのは「いつ買うか」です。

為替レートが極端に円安のときにドル資産を買ってしまうと、円高に戻った際に含み損を抱える場合も。

そのため、為替のトレンドやボラティリティ(変動の大きさ)を見ながら、徐々にドル建て資産を増やしていくのが賢明です。

一度にまとめて買うのではなく、時間を分散して購入する「ドルコスト平均法」を活用するのも有効でしょう。


VIX指数をウォッチして投資タイミングを読む

VIX指数は恐怖指数とも呼ばれ、市場の不安心理を示す指標です。

数値が高いときは相場が不安定で、逆に低いときは市場が落ち着いています。

投資のタイミングを考える際、VIXが急上昇したタイミングは「安く買えるチャンス」となることがあります。

VIXが高い=市場が悲観的な状況では、株価が割安になっているケースが多いのです。

冷静にVIXをチェックすることで、感情に流されずに有利な投資判断を下すことができます。


S&P500指数のトレンドから世界経済を読み取る

S&P500指数は、アメリカ経済全体の動向を示す代表的な株価指数です。

アメリカ企業の業績や投資家の心理を反映しており、世界の資本市場をリードする存在です。

この指数が堅調に推移しているときは、世界経済全体が安定しているサインと考えられます。

逆に、大きく下落しているときはリスクオフ(安全資産への逃避)の流れが強まっている可能性があります。

S&P500の動きを定期的に確認することで、ドル建て資産を買う「良いタイミング」をつかみやすくなります。


ドル建て資産を買うなら「タイミング投資」で

前述の通り、円安時代だからといってすぐに外貨資産を増やすのは危険です。

そこで有効なのが「タイミング投資」です。

VIXやS&P500の動きを観察し、市場が不安定で株価が一時的に下がったタイミングでドル建て資産を買い足します。

短期的な値動きに惑わされず、長期的に見て割安な局面を狙っていきましょう。


資産配分(ポートフォリオ)を定期的に見直す

円安や金利変動、株式市場の動きによって、資産バランスは少しずつ変化します。

放置しておくと円建て・ドル建ての比率が偏り、リスクが高まることがあります。

半年から1年ごとに資産全体の配分を見直すことが大切です。

例えば円建て70%・ドル建て30%の比率を基準にし、為替変動でずれた場合はリバランスを行うのがおすすめです。

定期的に見直すことでリスクとリターンのバランスを保ち、安定した運用を続けられます。


まとめ:円建て資産を基盤に、VIXとS&P500を見ながらドル建てを買う

円安時代の資産運用で大切なのは「円建てを基盤にしながら、外貨資産をタイミングよく増やす」ことです。

すべてを外貨に振り切るのではなく、まずは日本円で生活を守り、そこに成長性のあるドル建て資産を組み合わせるのが理想です。

VIXやS&P500をウォッチし、相場の不安や割安な局面を見極めて投資することで、効率的な資産形成が可能になります。

焦らず、分散とタイミングを意識して運用すれば円安時代でも資産を守っていくことができるでしょう。

もちろん最悪の場合を想定して、余剰資金で投資していきましょうね。

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