eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）とは？初心者におすすめの理由と長期投資の魅力を徹底解説

eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）の概要

投資初心者の間で人気の高い「eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）」は、三菱UFJ国際投信が提供する投資信託です。愛称として「オルカン」と呼ばれ、多くの投資家から支持されています。その最大の魅力は、これ1本で全世界の株式に分散投資ができる点です。

通常、投資信託やETFを選ぶ際には「米国株、日本株、新興国株」など、どの地域に投資するかを考える必要があります。しかしオルカンはこれ一本で、世界中の先進国から新興国まで、約50か国・3000銘柄以上の株式にまとめて投資できます。

初心者にとって「どこに投資すべきか」という悩みを解決し、シンプルに資産形成を進められるのが大きな特徴です。

オルカンの投資対象は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス（ACWI）に連動するように運用されています。これは、世界中の上場企業の時価総額を基にした指数で、先進国だけでなく新興国も含まれます。

具体的な構成比率を見ると、米国株が約60％を占め、日本株は数％程度、中国やインドといった新興国も含まれています。これにより、世界経済全体の成長に合わせて資産を増やすことができるのです。

投資信託で重要な要素の一つが「信託報酬（手数料）」です。オルカンの信託報酬は年率0.05775％程度と非常に低水準に設定されています。これは業界最低水準の水準であり、長期投資におけるコスト負担を最小限に抑えられるのが魅力です。

例えば、100万円を20年間投資した場合、信託報酬が高いファンドだと数十万円もの差が生まれることもあります。オルカンはその点でコスト効率に優れており、初心者が安心して積立投資を始められる理由の一つです。

投資の世界では「卵を一つのカゴに盛るな」という格言があります。つまり、一つの銘柄や国に投資を集中させるとリスクが高まるという意味です。オルカンは、世界中の数千銘柄に自動的に分散投資してくれるため、初心者でも効率的にリスク分散ができます。

海外資産に投資する場合、円とドルだけでなく、ユーロや人民元など複数の通貨の影響を受けます。オルカンは全世界に分散されているため、為替リスクも自然に分散されます。特定の通貨に依存しない点も安心材料です。

株式投資は短期的には値動きが大きいですが、長期的には世界経済の成長に沿って上昇する傾向があります。オルカンは世界経済全体をカバーしているため、10年、20年といった長期で資産形成する人に向いています。

米国株に集中投資する「eMAXIS Slim 米国株式（S&P500）」も人気の投資信託です。米国は世界経済の中心であり、過去数十年にわたり強い成長を続けてきました。

一方で、オルカンは米国だけでなく全世界に投資できるため、米国一強に偏るリスクを抑えられる点が強みです。将来的に新興国が経済成長するシナリオにも対応できるのが特徴です。

一部の投資信託は「全世界株式（除く日本）」という形で、日本株を除外して運用しています。これに対してオルカンは日本株も組み込まれているため、日本に住む投資家にとっては自然な分散投資となります。

株式市場は日々変動しており、短期的には下落することもあります。オルカンも例外ではなく、リーマンショックやコロナショックのような世界的な危機では基準価額が下がることがあります。初心者はこうした変動に過剰反応せず、長期視点を持つことが大切です。

投資信託は預金と違い、元本保証がありません。資産が減るリスクもあるため、生活資金まで投資に回すのは避けるべきです。余裕資金でコツコツ積み立てるのが基本です。

オルカンは世界中に分散投資できるとはいえ、株式だけに投資しています。そのため、株式市場全体が低迷した場合は資産価値も下がります。債券や現金とのバランスを考えることも重要です。

オルカンは以下のような人に特におすすめです。

オルカンは「つみたてNISA」の対象商品にもなっており、長期・積立・分散という国が推奨する投資方法と相性抜群です。毎月一定額を積み立てることで、ドルコスト平均法の効果により価格変動リスクを抑えつつ資産を増やすことができます。

eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）は、投資初心者に最適な投資信託の一つです。世界中の株式にこれ一本で投資でき、信託報酬も業界最低水準。つみたてNISAにも対応しており、長期資産形成の王道商品といえます。

短期的な値動きに惑わされず、長期的に世界経済の成長を取り込む姿勢が重要です。投資を始めたいけれど銘柄選びに迷う方は、まずオルカンからスタートしてみるのがおすすめです。

杉山も「どれか一つ金融商品を選ぶなら？」と聞かれれば、オルカンと答えます。迷っても迷わなくてもこれでいいと、安心して信託できるファンドであると言えます。