1. 企業概要と事業内容
CDS株式会社(証券コード:2169)は、1980年設立の老舗企業で、東京証券取引所スタンダード市場および名古屋証券取引所プレミア市場に上場しています。
同社の主な事業は以下の通り:
事業区分 | 内容 |
---|---|
技術情報ソリューション事業 | 取扱説明書、サービスマニュアル、デジタルコンテンツ、多言語翻訳、3D-CAD設計など。 |
デジタルソリューション事業 | FAロボットシステム、生産ライン設計構築、デジタル化対応などを手掛ける。 |
多言語対応やeラーニングといったソリューションにも強みがあり、製造業を中心とした顧客ニーズに応える包括的な技術支援体制を構築しています。

2. 財務指標と市場評価
最新の業績指標は以下の通りです(2025年7月時点)
利益率や自己資本比率が高く、財務体質の健全性と株主還元への姿勢が評価されています。
3. 業績推移と決算状況
近年の売上と利益の動きは以下の通り(単位:百万円):
- 2023年12月:売上972、経常益147、当期純利益100
- 2024年12月:売上1,040、経常益151、当期純利益106 (前期比微増)
- 2025年12月予想:売上926(–11.8%)、経常益94(–37.4%)、当期利益63(–40.5%)
最新第2四半期決算でも減収減益となっており、年度通期の見通しも慎重な姿勢です。
4. 株価と市場動向
最新の株価は1,750~1,780円台前後で推移しており、年初来高値は1,880円、安値は1,721円。
信用倍率は約8倍前後で、信用買い残が多く投資家の関心が高いことが分かります。

5. 魅力ポイントと投資視点
5-1. 安定したビジネスモデル
製造業特に自動車や産業機器向けのマニュアル制作やFAシステム構築に深く関与し、景気変動に強い安定性を持っている点が魅力です。
5-2. 高い株主還元姿勢
配当利回り約4%は魅力的で、増配実績なども注目材料です。
5-3. 財務の厚み
自己資本比率約78%、ROE約12%と、健全な経営体質が投資判断のポイントになります。
5-4. 割安評価の可能性
PER約11倍、PBR約1.3倍と比較的割安水準にあり、業績回復が見込めればリターン余地も期待できます。
6. 投資リスク・留意点
- 業績の不透明感:2025年度は減益予想である点に注意が必要です。
- 事業の景気依存性:自動車産業などの景気循環に左右される可能性があります。
- RSS偏重の株価:信用買い残が多く、一部投資家のポジションに株価が左右される点もリスクです。

7. 投資戦略と活用法
- 分散ポートフォリオの一角として:高配当+安定性から中長期のベース運用に適しています。
- 増配や業績回復を見込んだ中期トレード:業績回復時に配当利回り低下として株価が上昇する可能性あり。
- NISA口座での優遇活用:配当非課税枠を活用することで手取り効率アップ。
8. まとめ
CDS(2169)は、技術情報ソリューションの老舗として高い財務基盤と配当利回り(約4%)を持ち、安定性とリターンを兼ね備えた銘柄です。業績に課題があるものの、中長期的な視点でポートフォリオの一角に据える価値があります。PER・PBRの割安感から業績回復局面のリターンに期待できる点も魅力です。