1. 固定費
お金を貯めたいと思ったとき、多くの人はまず「節約」を考えます。
しかし、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「食費を減らす」「外食を我慢する」といった変動費の削減です。もちろん効果はありますが、より大きなインパクトをもたらすのは固定費の見直しです。
固定費とは、毎月決まって発生する支出のこと。主な例は以下です。
これらは一度契約すると、自動的に毎月引き落とされ、意識せずに支払ってしまうお金です。

2. 固定費見直しの効果が大きい理由
(1) 効果が持続する
変動費の節約(食費や交際費)は一時的な努力が必要で、続けるのが難しいことも多いです。
しかし、固定費は一度見直せば、その効果が毎月自動的に積み重なります。
例:スマホ代を1万円 → 3,000円に変更
→ 毎月7,000円、年間で 84,000円 の節約が自動的に続く。
(2) 節約ストレスが少ない
外食や趣味を我慢する節約は心理的負担が大きいですが、固定費の見直しは契約を変更するだけ。
一度手続きすれば、生活の満足度を下げずに節約できます。
(3) 複利的にお金が増える
固定費削減で浮いたお金を投資に回せば、複利の効果で長期的に資産が増加します。
例:毎月1万円節約 → 年間12万円 → 年利5%で20年運用
→ 約397万円に成長。
3. 見直しやすい固定費の具体例
(1) 通信費
大手キャリアから格安SIMへの乗り換えで大幅削減可能。
例:月1万円 → 月3,000円(年間8.4万円節約)。
(2) 保険料
不要な特約や過剰な保障を削減。
公的医療保険や高額療養費制度を理解し、必要最低限の保障に絞ることで、年間数万円の節約も可能。
(3) サブスクリプション
複数加入している動画配信や音楽サービスを整理。
1つ1,000円でも、3つ解約すれば年間36,000円の節約。
(4) 住宅費
引っ越しや住宅ローン借り換えで数万円単位の削減も可能。
特にローンは金利が下がると数百万円の総返済額削減につながる。

4. 固定費見直しの進め方
- 現状把握
家計簿アプリや明細で固定費を洗い出す。
「毎月必ず発生している支出」をすべてリスト化。 - 優先順位をつける
削減効果が大きい項目(通信費・保険・住宅費)から手を付ける。 - 情報収集と比較
他社プランやサービスを比較し、最適なものを選択。 - 契約変更・解約
必要に応じて乗り換えや解約を実施。 - 浮いたお金の使い道を決める
浮いた分を「投資」や「貯蓄」に自動で回す設定を作る。
5. 固定費見直しがもたらす長期的メリット
- 家計の黒字化が容易になる
- 将来の不安が減る(貯金や投資の余力が増える)
- 不要な支出を減らし、本当に必要なものにお金を使える
- 投資資金を増やせるため、資産形成のスピードが加速する
6. 固定費見直し+投資のシナリオ例
仮に月2万円の固定費を削減し、それを年5%で20年間運用すると…
- 毎月2万円 × 12ヶ月 × 20年 = 元本480万円
- 運用益込みで 約795万円 に成長
つまり、「固定費削減 → 投資」という流れを作るだけで、老後資金や資産形成に大きな差が生まれます。

まとめ
固定費の見直しは、家計改善の中で最も効率的かつ持続可能な方法です。
一度行えば毎月の支出が自動的に減り、その分の資金を貯蓄や投資に回せます。
今すぐ家計簿を見直し、「本当に必要な固定費」だけに絞ることが、着実にお金を増やす第一歩です。