1. はじめに
投資初心者が米国株投資を始めるときに、最初の選択肢としてよく名前が挙がるのが「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。
この投資信託は、アメリカを代表する500社の株価動向を示す「S&P500指数」に連動する運用を目指しており、長期的に米国経済の成長を享受できるのが特徴です。
本記事では、このファンドの概要からメリット・デメリット、実際の活用方法まで詳しく解説します。

2. eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とは
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドで、米国株式市場の代表指数であるS&P500に連動する成果を目指します。
「eMAXIS Slim」シリーズは、業界最低水準の運用コストを目指すことをコンセプトとしており、このファンドも信託報酬が非常に低く設定されています。
基本情報(2025年8月時点の例)
- 運用会社:三菱UFJ国際投信
- 投資対象:米国大型株500銘柄
- ベンチマーク:S&P500(円換算ベース)
- 信託報酬:年0.09372%(税込)
- 為替ヘッジ:なし
3. S&P500とは?
S&P500は、米国の株式市場に上場している企業のうち、時価総額や流動性などの基準を満たした代表的な500銘柄で構成される株価指数です。
アップル、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディアなど、世界をリードする企業が多数含まれています。
過去数十年にわたり、S&P500は安定的に成長しており、米国経済の強さを象徴する指標とも言えます。
4. 特徴と魅力
4-1. 低コスト運用
eMAXIS Slimシリーズ最大の特徴は、業界最低水準を目指す信託報酬の安さです。
長期投資では、運用コストがパフォーマンスに大きな影響を与えるため、低コストは大きなメリットとなります。
4-2. 高い分散効果
500銘柄に分散投資することで、特定企業やセクターのリスクを抑えられます。IT、金融、ヘルスケア、エネルギーなど幅広い産業に投資できるのも魅力です。
4-3. 為替リスクを享受できる
為替ヘッジなしのため、米ドル高の局面では円ベースでの資産価値が上昇する可能性があります。長期的に円安が進むと見込む場合は有利に働きます。

5. メリットとデメリット
メリット
デメリット
- 米国経済の不調時には影響を受ける
- 為替変動の影響を受ける(円高時は評価額が下がる可能性)
- 短期売買には不向き
6. 他の類似ファンドとの比較
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は人気ですが、同じS&P500に連動するファンドは他にもあります。
例えば、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)です。
信託報酬はeMAXIS Slimがほぼ最安水準で、長期投資家にとって魅力的な選択肢となります。
7. 購入方法
主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)や銀行経由で購入可能です。
つみたてNISAの対象商品でもあり、毎月一定額を自動で積み立てる方法がおすすめです。
8. 投資戦略の例
長期積立戦略
- 毎月3万円を20年間積み立て
過去のS&P500の平均年利回り6〜7%を仮定すると、20年後には元本720万円が約1,300〜1,400万円になる可能性があります。
一括投資戦略
長期的に米国株式の成長を確信している場合、大きな下落局面で一括投資するのも選択肢です。

9. まとめ
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、低コスト・高分散・長期成長性の3拍子が揃った人気ファンドです。
米国経済の成長を背景に、資産形成を目指す初心者から上級者まで幅広く利用されています。
つみたてNISAやiDeCoを活用し、時間を味方につけた長期運用を行うことで、着実な資産形成が期待できます。
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