1. 日東富士製粉とはどんな会社?
■ 創業と歴史
日東富士製粉株式会社(にっとうふじせいふん、証券コード:2003)は、1914年創業、東京都に本社を構える老舗の製粉メーカーです。100年以上の歴史を持ち、小麦粉を中心とした製品の製造・販売を行っています。
創業以来、「安全・安心な食品を届ける」ことをモットーに、食品業界に不可欠な基礎食材である小麦粉の品質向上と安定供給に力を入れてきました。

2. 事業内容と特徴
日東富士製粉の主な事業は以下の3つです。
■ ① 製粉事業(中核)
小麦を原料とする製品を製造。パン・菓子・麺類などの食品加工メーカーやベーカリー、外食チェーンに提供されています。用途に応じた多様な小麦粉製品があり、食品業界の上流に位置する重要プレーヤーです。
■ ② 食品事業
パスタや冷凍食品、プレミックス(ホットケーキミックスなど)も展開しており、近年は家庭用商品にも力を入れています。
■ ③ その他
不動産賃貸や倉庫管理、物流なども行っており、事業の安定性向上に寄与しています。
3. 業績と財務状況
■ 売上と利益の推移
近年の業績は以下の通りです(※直近5年の参考情報):
連結年度 | 売上高(億円) | 営業利益(億円) | 純利益(億円) |
---|---|---|---|
2020年3月 | 約625億円 | 約38億円 | 約26億円 |
2021年3月 | 約643億円 | 約43億円 | 約30億円 |
2022年3月 | 約703億円 | 約39億円 | 約27億円 |
2023年3月 | 約750億円 | 約45億円 | 約31億円 |
2024年3月 | 約790億円 | 約47億円 | 約33億円 |
全体的に安定的な成長傾向があり、営業利益率も食品業界としては標準的な水準を維持しています。
■ 財務の健全性
自己資本比率は50%超と健全。借入依存度も低く、保守的で安定志向の経営がうかがえます。
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4. 配当や株主優待など株主還元
■ 配当金
日東富士製粉は安定配当政策を採用しており、直近の配当は年間1株あたり280円です。
配当性向は30〜40%とバランスが取れており、安定的なインカムゲインを狙いたい投資家向けです。
■ 株主優待(※最新情報をご確認ください)
過去には自社製品詰め合わせ(パスタ、プレミックス粉など)の株主優待を実施していました。実施有無は時期により異なるため、最新のIR情報の確認が必要です。

5. 投資視点から見た日東富士製粉
■ 魅力①:ディフェンシブ銘柄
食品関連企業のため、景気の影響を受けにくいディフェンシブ株です。特に日常生活に欠かせない「小麦製品」を扱っており、需要の安定性が強みです。
■ 魅力②:安定配当
安定した配当実績があり、長期保有によるインカムゲインに期待できます。
■ 魅力③:業界内での信頼と歴史
100年以上の実績を持ち、業界内での信頼性が高く、大手食品メーカーとの取引も安定しています。
■ リスク:原材料価格の変動
最大のリスクは「小麦価格の高騰」です。国際相場や為替変動の影響を受けやすく、利益率のブレには注意が必要です。
6. 今後の成長戦略
日東富士製粉は以下のような中長期的な戦略を掲げています。
- 高付加価値製品の拡大(健康志向、グルテンフリー対応など)
- 家庭用・業務用の両面でのブランド強化
- 生産体制の効率化と自動化投資
- 海外展開(アジア市場など)への足がかりづくり
社会全体の健康志向や食の多様化を受け、新たな需要に応える形で高機能小麦粉や特化型製品の開発が進められています。

まとめ|日東富士製粉はこんな人におすすめ
日東富士製粉は、
- 景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄に投資したい
- 安定した配当を受け取りたい
- 食品インフラに関わる企業を応援したい
という投資家にとって、魅力ある中小型株の一つです。急成長は期待しにくいですが、堅実な企業経営と株主還元姿勢が光る銘柄として、長期投資の選択肢に加える価値はあるでしょう。
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