米国債券ETF3選|AGG・LQD・HYGを比較!特徴と投資戦略を解説

米国債券ETFとは、アメリカの債券市場全体、あるいは特定の種類の債券に投資できる上場投資信託です。

日本の投資家が米国債券に直接投資しようとすると、大口の資金や複雑な手続きが必要になります。

ETFを利用すれば証券口座を通じて株式と同じように売買できるため、手軽に分散投資を実現できます。

また、債券は株式に比べて価格の変動が小さいため、ポートフォリオ全体のリスクを抑える役割を果たします。

投資家は安定収益を重視するのか、それともリスクを取って高いリターンを求めるのかによって、最適なETFを選ぶことが大切です。


AGGの基本情報と特徴

AGG(iシェアーズ・コア 米国総合債券市場ETF)は、米国の投資適格債券に幅広く分散投資する代表的なETFです。

投資対象は米国国債、政府関連機関債、優良企業の社債、MBS(住宅ローン担保証券)などで、市場全体を網羅しています。

まさに「米国債券市場の縮図」といえる存在ですね。

経費率も0.03%と非常に低いため、長期投資家にとってコスト効率が高く、基盤となる資産として利用されるケースが多いETFです。

値動きはかなり安定しており、債券市場全体の動きを手軽に反映させたい投資家に向いています。


LQDの基本情報と特徴

LQD(iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債ETF)は、米国企業の投資適格社債に特化したETFです。

国債よりもリスクが高いものの、その分利回りが上昇するのが特徴です。

信用力の高い企業が発行する社債を中心に構成されているため、破綻リスクは低め。

ただし金利上昇や景気悪化時には価格下落の影響を受けやすくなります。

配当はAGGよりも高めで、インカム収入を重視する投資家に人気です。

国債だけでは物足りないけれど、過度にリスクを取りたくない投資家にとって、LQDは魅力的な選択肢となります。


HYGの基本情報と特徴

HYG(iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債ETF)は、格付けの低い企業が発行するハイイールド債、いわゆる「ジャンク債」を対象にしています。

その分利回りは非常に高く、3つのETFの中では最も魅力的な配当を提供します。

ただし信用リスクが高く、景気後退局面では債務不履行(デフォルト)のリスクが高まるため、価格は大きく下落しやすいという特徴があります。

景気が拡大している時期には高いリターンを期待できるため、タイミングとリスク許容度を踏まえて活用することが重要です。

杉山としてはボラティティから考えてオススメしておりません。下げる時は株式並みに暴落してしまいますので。。。

投資したい場合は主軸ではなくトッピング程度で抑えておくのがいいでしょう。


AGG・LQD・HYGのリスク比較

3つのETFは、投資対象とリスクの性質がはっきりと異なります。

  • AGG最も安定的で、債券市場全体に広く投資。リスクは小さいが利回りも低い。
  • LQD:企業の投資適格債に集中。安定と利回りのバランスを狙う。
  • HYG:ハイイールド債に特化。高利回りだが価格変動大きく、景気に敏感。

このように、投資家のリスク許容度に応じて選択肢を分けることができます。

安全性を重視するならAGG、利回りを重視するならLQD、リスクを取ってでも収益を求めるならHYGという整理が可能です。


配当利回りの違いと投資家の選び方

債券ETFの魅力のひとつは、安定した分配金です。

  • AGG:安定性重視で利回りは控えめ。安心感を求める投資家向け。
  • LQD:AGGよりも高めの利回りを期待できる。インカム収入を強化したい投資家に適している。
  • HYG:非常に高い利回りが特徴。ただしリスクが伴うため、資産の一部に組み入れる使い方が現実的。

利回りだけで判断せず、安定性とのバランスを意識することが大切です。


投資戦略における活用方法

AGG、LQD、HYGは単独でも投資可能ですが、組み合わせることでリスク分散が進みます。

たとえば、ポートフォリオの中心にAGGを置きつつ、一部をLQDに振り分けることで利回りを高める戦略が考えられます。

また、リスク許容度が高い投資家は、HYGを少額組み入れることで全体の収益力を押し上げることが可能です。

株式と組み合わせる場合、AGGを加えることで全体のボラティリティを下げる効果が期待できます。

長期的な安定運用を目指すならこのような調整が重要です。


為替リスクへの注意点

米国債券ETFは米ドル建てで運用されるため、日本円に換算したときに為替変動の影響を受けます。

円高局面では円換算での資産価値が減少し、円安局面では増加します。

債券自体の安定性があっても、為替による影響がパフォーマンスに直結する点は見逃せません。

長期投資では為替変動が平均化されるケースもありますが、短期的な値動きに敏感な投資家は注意が必要です。

場合によっては、為替ヘッジ付きの債券ファンドを検討するのもひとつの方法ですが、その場合手数料が発生するのでオススメできません。


まとめ

米国債券ETFの代表格であるAGG・LQD・HYGは、それぞれ投資対象とリスク・リターンの特性が明確に異なります。

  • 安定を求めるならAGG。
  • バランスと利回りを狙うならLQD。
  • 高いリスクを許容してでも高配当を得たいならHYG。

この3つを理解し適切に組み合わせることで、投資ポートフォリオはより強固になります。

株式市場が不安定な時期も、債券ETFを加えることでリスク分散を実現できるのです。

特に、利下げを開始してなお高金利と言える米国において債券市場は、長期的な資産形成の柱となる可能性を秘めています。

投資目的やリスク許容度に応じて、賢く活用していきましょう!

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