生活防衛資金と投資資金の正しい分け方|初心者が最初にやるべき資産設計

お金

1. 生活防衛資金とは?

生活防衛資金とは、万が一のリスクに備えて生活費をまかなうための「守りのお金」です。
具体的には、病気・ケガ・リストラ・災害など、予期せぬ事態で収入が途絶えた場合でも生活を維持できる資金を指します。


なぜ必要?

  • 収入減少や失業のリスク
     突然の会社倒産や病気による休職など、誰にでも起こり得ます。
  • 投資の暴落に備えるクッション
     リーマンショックやコロナショックのように、数か月で株価が半分になることもあります。
  • 精神的な安定
     「いざとなれば半年は暮らせる」という安心感は、冷静な投資判断につながります。

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2. 投資資金とは?

投資資金は、生活に必要な資金とは別に、将来の資産形成のために増やすお金です。
長期投資に回すため、短期的に引き出す予定がないお金を充てます。


投資資金の特徴

  • 株式投資信託債券などで運用する
  • 長期で増やす前提なので、価格変動(リスク)を許容する
  • 生活費として使う予定があるお金は含めない

3. 生活防衛資金はいくら必要?


3-1. 目安は「生活費3〜6か月分」

  • 安定した会社員 → 3〜6か月分
  • 自営業・フリーランス → 6〜12か月分
  • 子育て世帯・ローンあり → 1年分が望ましい

3-2. 計算例

生活費が月20万円の場合:

  • 3か月分:60万円
  • 6か月分:120万円
  • 12か月分:240万円

3-3. 固定費と変動費を分けて考える

  • 固定費:家賃・水道光熱費・保険料・通信費
  • 変動費:食費・日用品・交際費

まず固定費を削減するだけで、必要額は大きく下がります。


4. 貯め方のステップ


ステップ1:毎月の生活費を把握する

家計簿アプリや銀行履歴を見て、固定費・変動費を合計し最低限の生活費を算出します。


ステップ2:生活防衛資金を現金で確保

  • 普通預金または即時引き出し可能な定期預金で管理
  • 元本保証のある金融機関に置く
  • 引き出しやすさと安全性を重視

ステップ3:防衛資金が貯まったら投資開始

  • 生活防衛資金を超えた余剰資金を投資へ
  • NISA・iDeCoなど税制優遇口座を活用する
  • 株式・インデックスファンドで長期積立

5. 投資資金の考え方


5-1. 投資資金は「余剰資金」

  • 使う予定のあるお金は投資しない
  • 5年以上使わない資金を投資に回す

5-2. リスク許容度に応じた配分

  • 株式:リスク高・リターン高
  • 債券:リスク低・安定収入
  • 現金:安全・流動性高いがインフレに弱い

5-3. ポートフォリオ例

  • 生活防衛資金:現金120万円(生活費6か月分)
  • 投資資金:株式インデックス70%、債券20%、金10%

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6. よくある失敗例


6-1. 防衛資金ゼロで投資開始

→ 暴落時に生活費が足りず、損切りしてしまう。


6-2. 防衛資金を貯めすぎて投資しない

→ インフレで実質価値が目減りし、資産が増えない。


6-3. 投資と生活費の口座を分けない

→ 生活費を投資に回してしまい、資金管理が混乱。


7. 実践ポイント

  • まずは「生活費×6か月分」を現金で確保
  • 口座を分けて管理し、投資と生活費を混同しない
  • 投資資金は長期目線で分散投資する
  • インフレ対策として、現金だけでなく株・なども検討

8. まとめ

生活防衛資金は、資産形成の土台です。
これを確保せずに投資を始めると、暴落時に精神的にも経済的にも耐えられません。

  • 守り(生活防衛資金)を整えたうえで、
  • 攻め(投資資金)で資産を増やす

この順番を守れば、安定した資産形成が実現できます。

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