1. REITとは?

REIT(リート)とは「Real Estate Investment Trust」の略で、日本語では不動産投資信託と呼ばれます。
投資家から集めた資金をもとに不動産を購入・運用し、その賃料収入や売却益を投資家に分配する仕組みです。
REITの特徴
- 少額から不動産投資が可能(1口数万円程度)
- 上場しているため証券口座で株のように売買できる
- 賃料収入がベースなので安定した分配金が期待できる
2. REITの仕組みをわかりやすく説明
2-1. 従来の不動産投資との違い
通常の不動産投資は、マンションやアパートを一棟または一室購入して運用します。
一方、REITは投資家から集めた資金で複数の不動産を運用するため、少額で複数物件に分散投資できるのがメリットです。
2-2. 上場REITの流れ
- REITを運営する投資法人が投資家から資金を集める
- その資金でオフィスビルや商業施設、物流施設、住宅などを購入
- 賃料収入や売却益を得て投資家に分配金として還元
3. 日本と米国のREIT市場
3-1. 日本(J-REIT)
2001年に東京証券取引所に上場し、現在は60銘柄以上が取引されています。
オフィスビルや物流施設、商業施設など多様なREITがあり、分配利回りは年3〜5%程度が目安です。
3-2. 米国(US-REIT)
世界最大のREIT市場。住宅や商業施設、ホテル、データセンターなど幅広いセクターがあります。
米国REITに投資するETF(例:iシェアーズ米国不動産ETF「IYR」)を通じて、日本の証券口座からでも投資可能です。

4. REITのメリット
メリット1:少額で不動産投資ができる
1口数万円から購入可能なので、初心者でも始めやすい。
メリット2:高い分配金利回り
株式に比べて利回りが高め(3〜5%)で、インカムゲイン(配当収入)重視の投資に向く。
メリット3:流動性が高い
上場REITは株式と同じように市場で売買できるため、現物不動産のように売却に時間がかかりません。
5. REITのデメリット・リスク
- 不動産市況や金利の影響を受けやすい
- 天災や景気悪化で賃料収入が減少する可能性がある
- 株価同様に価格変動リスクがある
6. 証券口座で買える優良REIT(2025年7月時点)
6-1. 日本の人気J-REIT
■ 日本ビルファンド投資法人(8951)
- 国内最大級のオフィスビル特化型REIT
- 安定した賃料収入と高い分配金実績
- 利回り:約3〜4%
■ 日本プロロジスリート投資法人(3283)
- 物流施設に特化したREIT
- EC需要拡大により成長性が高い
- 利回り:約3%前後
■ ジャパンリアルエステイト投資法人(8952)
- オフィスビル中心
- 格付けの高さと運用実績の長さが強み
- 利回り:約3〜3.5%
6-2. 海外REITに投資できるETF
■ iシェアーズ米国不動産ETF(IYR)
- 米国の主要REITに幅広く分散投資
- 住宅・商業施設・オフィス・物流など幅広いセクターを網羅
- 分配利回り:約3%
■ バンガード・米国不動産ETF(VNQ)
- 米国REIT市場の代表的ETF
- 世界的に人気があり流動性も高い
- 分配利回り:約3〜4%
7. REITの選び方
- 分配金利回り:高すぎる利回りはリスク要因の場合もある
- 運用資産の種類・立地:オフィスか住宅か、物流か商業施設か
- 格付け・規模:大型で格付けが高いものほど安定性が高い
- 過去の分配実績:安定した配当を続けているか確認する
8. REITの買い方・始め方
- 証券口座を開設(SBI証券・楽天証券・マネックス証券など)
- J-REITなら株式と同じように銘柄コードを指定して購入
- 海外REITは米国ETF(IYR・VNQ)を円→ドルに換えて購入
ポイント
- NISA口座を活用すると分配金・売却益が非課税になる
- 少額から始めて、複数銘柄に分散するのがおすすめ

9. REIT投資が向いている人
- 株式だけでなく安定した配当収入を得たい人
- 少額で不動産投資を始めたい初心者
- 分散投資でリスクを下げたい人
10. まとめ
REITは、少額から始められる不動産投資として人気が高く、証券口座で手軽に売買できるのが魅力です。
日本のJ-REIT、米国のREIT ETFどちらも選択肢が豊富で、配当利回りが高く安定した収入源になりやすい点が強みです。
ただし、不動産市況や金利動向に影響を受けやすいため、複数銘柄に分散投資し、長期目線で運用することが成功のポイントです。
これから投資を始める方は、まずは少額から人気のJ-REITや米国REIT ETFに投資し、資産全体のバランスを見ながらポートフォリオに組み込むとよいでしょう。
個人的には新NISA枠で買えるJ-REIT(例:NF J-REIT)がおすすめです。