米国債は米国政府が発行する国債です。
世界で最も信用力が高いとされる金融商品です。
株式よりも値動きが安定、利息収入を得られる点が魅力です。
初心者でも比較的取り組みやすい資産のひとつです。
ここでは過去20年間に米国債を積立投資したらどうなるかをシミュレーションします。
さらに過去の事例も交えて、リターンとリスクの両面を解説します。

米国債の特徴
米国債は「安全資産」と呼ばれることが多いです。
米国政府が元本と利息の支払いを保証しているためです。
通常は数%の利回りを期待できます。
日本の国債に比べて利回りが高いのが特徴です。
株式と比べると大きな値上がりは期待できません。
しかし長期で持つことで安定した成長を実現できます。
シミュレーション条件
仮に毎年1,000ドルを20年間積み立てると仮定します。
利回りは過去の平均から4〜5%を想定します。
利息は受け取ったら再投資する前提です。
20年間の合計元本は20,000ドルです。
20年の終わりにどのくらい資産が増えるかを見ていきます。

20年間積立の結果
年利5%で20年間積み立てると、元本20,000ドルが約33,000〜35,000ドルに増えます。
複利効果があるため、単純に利息を足すだけよりも大きく成長します。
もし利回りが4%の場合でも約29,000〜30,000ドルになります。
利回り0%だった場合は20,000ドルのままです。
この差は「複利の力」によるものです。

複利の力とは?
複利とは利息が利息を生む仕組みです。
1年ごとに元本に利息が加わり、その合計に対して次の利息がつきます。
長期になればなるほどその効果は大きくなります。
短期間では違いが小さく見えても、20年や30年で見ると大きな差になります。
過去の事例
2000年代前半の米国債利回りは比較的高めでした。
当時は5%を超える水準もありました。
その後リーマンショックが発生。
株式市場は大きく下落しました。
一方で米国債は安全資産として買われ、価格が上昇しました。
そのためリスク分散の役割を果たしたと言えます。
2020年には新型コロナショックがありました。
株式市場は急落しましたが、米国債は下落幅が小さかったのです。

リスクについて
米国債にもリスクは存在します。
最大のリスクは金利変動です。
金利が上昇すると債券価格は下落します。
もし途中で売却する場合は損失になる可能性があります。
また、日本人が投資する場合は為替リスクも重要です。
ドル円相場が円高になると、円換算で資産価値が下がります。
株式との比較
株式は長期的には大きなリターンを狙えます。
しかし価格変動が激しく、暴落することもあります。
債券はリターンが控えめですが安定しています。
2008年の金融危機でも株式は半分近く値を下げました。
しかし米国債はむしろ価格が上昇しました。
この点からも株式と債券を組み合わせることは有効です。
積立のメリット
積立投資は時間を分散する効果があります。
高値で一度に買ってしまうリスクを回避。
毎年同じ金額を買うことで平均購入価格を下げられます。
長期で見ると資産形成の効率が高まります。
初心者に向いている方法です。
米国債を20年積立てた学び
20年間積み立てると元本の約1.5〜1.7倍に資産が増えます。
株式に比べて増え方は控えめです。
しかし安定して成長していくことが大きな魅力です。
リスク分散の観点からもポートフォリオに組み入れる価値は十分にあるでしょう。

まとめ
米国債を20年間積み立てると安定した資産形成が可能です。
複利効果により、20,000ドルが30,000ドル以上に増える可能性があります。
株式と比べてリターンは小さいですが、下落局面で資産を守る力があります。
初心者は株式と債券をバランス良く組み合わせることが大切です。
過去の事例からも、米国債は長期投資の安定資産として有効であることが分かります。
例えば50代になり時間を味方に付けるメリットが少なくなってきた方など、株式投資の代わりに債券投資を考えてみてはいかがでしょうか?