はじめに
花王株式会社は、家庭用品、化粧品、医薬品や化学品と幅広い事業を展開する総合化学メーカーで、安定したブランド力と技術力を誇ります。
株式投資の観点からも注目される企業ですが、投資判断に必要なのは最新の業績動向と指標の理解です。
この記事では、花王の最新の決算データをもとに、売上高や営業利益、セグメント別業績、通期予想、株価指標や配当動向などを丁寧に解説します。初心者でも理解できるように数字の背景や意味も解説していきます。

四半期ごとの業績動向
第1四半期の業績
2025年1月から3月の第1四半期では、売上高が前年同期比で増加しました。売上高はおよそ3,899億円となり、前年同期比で6.6%の増加です。この増加には、数量や価格の改善に加え、為替の影響も一部寄与しています。特に、製品の販売数量の増加と価格調整の効果が大きく、企業努力が業績に反映されました。
営業利益は312億円で、前年同期比で92億円増加しました。これは、原材料価格の安定化や効率的な生産体制の効果が大きく、利益率の改善につながっています。税引前利益は316億円、四半期純利益は230億円となり、全体的に増益傾向が見られます。
第2四半期の業績
4月から6月の第2四半期では、売上高は8,090億円で前年同期比2.7%増となりました。為替の影響は若干のマイナスでしたが、実質的な増収が3.7%と、前年同期を上回る水準です。
数量の増加は僅かでしたが、価格改定の効果が大きく、売上の押し上げにつながっています。
営業利益は695億円で、前年同期比115億円の増加です。利益改善の要因は、主に原材料費の管理や製造効率の向上によるもので、セグメント別でも利益の伸びが確認されます。
税引前利益は718億円、純利益は495億円で前年同期比でも増加しており、安定的な収益力がうかがえます。

セグメント別業績
花王は事業を複数のセグメントに分けており、各事業の動向を確認することで、企業全体の強みやリスクを把握できます。
ハイジーンリビングケア事業
ハイジーンリビングケア事業は、衣料用洗剤やトイレタリー製品などを扱い、売上高は1,245億円で前年同期比4.3%増となりました。
数量の増加2.3%、価格改定1.4%の効果があり、為替影響は0.5%増です。営業利益は167億円で前年同期比35億円増加しています。家庭用製品の安定的需要が利益増に貢献しています。
ヘルスビューティケア事業
スキンケアやヘアケア製品を扱うヘルスビューティケア事業では、売上高が979億円で前年同期比3.3%増加しました。数量増加は2.3%、価格改定は0.2%の増加効果です。営業利益は67億円で前年同期比1億円増加しており、安定した利益水準が維持されています。
化粧品事業
化粧品事業は売上高583億円で前年同期比6.7%増ですが、営業利益は5億円の損失となっています。前年同期比では42億円の改善ですが、競争の激しい市場環境と広告宣伝費の増加が影響しています。
ケミカル事業
ケミカル事業では売上高が1,120億円で前年同期比14.2%増加しました。数量は若干減少しましたが、価格改定の影響が13.9%増加し、売上全体を押し上げました。営業利益は公表されていませんが、価格改善が利益増に寄与していると考えられます。

通期業績予想と見通し
花王の通期予想では、売上高は1兆6,284億円、前年同期比2.6%増が見込まれています。営業利益は1,650億円で前年同期比9.1%増、税引前利益は1,600億円で前年同期比7.9%増、当期純利益は1,100億円で前年同期比7.6%増の見通しです。
安定的な売上増加と利益改善が継続しており、投資家にとって魅力的な企業といえます。
業績指標の解説
- EPS(1株当たり利益):264円(前年同期比7.5%増)
利益の増加によりEPSも増加しており、株主にとっての収益性向上が確認できます。 - 配当予想:1株あたり154円(前年比2円増)
花王は36期連続で増配を予定しており、株主還元に積極的な姿勢が評価されます。 - 株価:6,704円(2025年8月29日現在)
- 時価総額:3兆1,234億円
- PER(株価収益率):25.7倍
- PBR(株価純資産倍率):2.96倍
- 配当利回り:2.30%
株価は安定しており、ディフェンシブ銘柄の中では配当利回りも比較的高い水準で、長期投資家に人気があります。
投資家向けの視点
花王は安定した業績と高いブランド力を持つ企業ですが、投資家が注目すべき点は以下です。
- セグメント別に利益の偏りがあること
- 化粧品事業の競争激化による利益変動リスク
- 為替や原材料価格の影響を受けやすいこと
- 安定した配当政策とEPSの成長
これらを踏まえ、長期的な視点で投資判断を行うことが重要です。
まとめ
花王株式会社は、家庭用品から化粧品、医薬品、化学品まで多岐にわたる製品群を持つ安定成長企業です。
最新の業績では、売上高・営業利益ともに前年同期比で増加しており、特にグローバルコンシューマーケア事業やケミカル事業が好調です。通期の業績予想も増収増益を見込んでおり、安定した成長が期待されます。
株主還元にも積極的で、EPSや配当の伸びも確認できるため、安定した配当が欲しい投資家にとってはポートフォリオに組み込みたい銘柄と言えるでしょう。