概要
竹本容器株式会社は、化粧品・食品・日用品・医薬品など幅広い分野で使用される容器を製造・販売する総合容器メーカーです。
日常生活で手にするシャンプーや化粧水、調味料のボトルの多くは、実は竹本容器の製品である可能性があります。
同社の強みは、数千種類に及ぶ「標準容器」のラインナップを揃えていることです。顧客はその中から自社製品に最適な容器を選べるため、開発スピードを大幅に短縮できます。
さらに、自社で金型設計から製造、成形、印刷まで一貫して行う体制を整えており、安定した品質と短納期を実現しています。
容器業界は一見地味ですが、生活必需品に密接に結びついているため需要は底堅く、安定性が魅力です。一方で、竹本容器は「成長性」と「収益力」を兼ね備えた存在として投資家から注目されています。

竹本容器の業績推移
ここからは、売上高や利益、財務指標を詳しく見ていきます。
売上高の推移
竹本容器の売上高は長期的に右肩上がりで推移しています。特に食品や化粧品分野の需要拡大に伴い、安定的な成長を続けています。
- 2018年:およそ210億円
- 2019年:220億円
- 2020年:240億円
- 2021年:250億円(コロナ禍の影響を受けながらも堅調)
- 2022年:270億円
- 2023年:280億円前後
大手消費財メーカーとの取引が多いため、景気変動に対して比較的安定しているのが特徴です。
営業利益と利益率
売上高の増加に加え、コスト削減や効率化によって営業利益も安定して推移しています。
- 営業利益率はおおむね 10%前後
- 容器メーカーとしては比較的高水準
同業他社と比較しても、竹本容器は効率的な生産体制と安定した取引先基盤を背景に、利益率の高さを誇っています。
当期純利益
純利益も安定的に推移しています。営業利益率が高いため、収益構造は堅固といえます。毎年安定して黒字を維持している点は、投資家にとって安心材料です。

財務指標の分析
自己資本比率
竹本容器の自己資本比率は 60%を超える水準 にあり、財務体質は非常に健全です。一般的に40%以上あれば健全といわれるなかで、60%超は安全性が高く、倒産リスクも低いと評価できます。
ROE(自己資本利益率)
ROEは株主資本を使ってどれだけ効率的に利益を上げているかを示す指標です。竹本容器のROEは 7〜10%前後 で推移しており、安定的な収益性を示しています。大幅な成長企業ほどではないものの、堅実に利益を確保するスタイルです。
ROA(総資産利益率)
ROAは 5%前後 で推移しており、こちらも製造業としては良好な水準です。設備投資が必要な業種でありながら、この水準を維持できている点は効率性の高さを表しています。
株主還元の状況
配当政策
竹本容器は安定した配当を行っています。配当性向は 30〜40%程度 を目安にしており、業績に応じた適切な株主還元を行う姿勢を示しています。
- 1株当たり配当金は、近年では 30〜40円程度 を維持
- 配当利回りは 2〜3%前後(株価水準による)
安定的な事業基盤に裏打ちされた配当は、長期保有の魅力を高めています。
株主優待
現在、竹本容器は株主優待制度を実施していません。ただし、容器メーカーとして化粧品や食品の容器を扱う特徴を活かし、将来的に「自社製品を使った詰め替え容器セット」などを優待として提供する可能性があれば、さらに個人投資家の関心を集めるでしょう。
成長要因と今後の展望
環境対応需要の拡大
世界的に脱プラスチックの流れが強まっており、環境配慮型容器の需要が高まっています。竹本容器はリサイクル樹脂やバイオマスプラスチックを用いた製品を強化しており、新規需要を獲得するチャンスとなっています。
海外展開
アジアや欧米の化粧品・食品市場は拡大を続けており、竹本容器の海外売上比率も上昇しています。今後は現地生産拠点を強化し、為替リスクを抑えながら市場シェアを広げる戦略が重要です。
顧客との長期関係
大手消費財メーカーとの強固な取引関係は、竹本容器の安定収益を支えています。取引先が新製品を出すたびに容器需要が発生するため、長期的に持続可能な収益モデルを構築しているといえます。

投資におけるリスク要因
一方で、投資家が注意すべきリスクも存在します。
- 原材料価格の高騰:石油由来の樹脂価格が上昇すると、コスト増となる。
- 規制リスク:環境規制が一層強化されると、既存製品の需要に影響が出る可能性。
- 競合の存在:国内外に多数の容器メーカーが存在し、差別化戦略が問われる。
- 為替変動:海外展開が進むなかで、為替の影響を受けやすい。
まとめ:竹本容器は安定と成長のバランスが魅力
竹本容器は、安定した売上成長と健全な財務基盤、そして環境対応を含む将来の成長余地を持つ企業です。
- 安定性:生活必需品分野に密接なため需要が底堅い
- 収益性:営業利益率10%前後と高水準
- 財務健全性:自己資本比率60%超でリスク耐性が高い
- 株主還元:配当性向30〜40%を維持、長期保有向き
リスクはあるものの、総合的に見て「安定性と成長性を兼ね備えた中堅優良株」といえるでしょう。長期投資家にとっては、配当を得ながら将来の株価上昇を期待できる魅力的な銘柄のひとつと考えられます。