朝日ネット(証券コード:3834)は1990年に設立されたインターネット接続サービス企業で、ISPとしての知名度が高く、「ASAHIネット」というブランドで個人および法人向けに多彩な通信サービスを展開しています。そのほか、IPv6の高速接続「v6コネクト」や、教育支援プラットフォーム「manaba」による事業多角化を進め、通信業界の変化に適応しています。
この記事では朝日ネットの事業構造、業績や株価指標、投資家にとっての魅力&リスク、そして中長期での投資視点をまとめます。

企業概要と事業内容
- 設立:1990年4月、東京都中央区銀座に本店を置く
- 上場:2006年に東証二部(現・プライム市場)に上場
- 事業構成:ISP「ASAHIネット」主軸の他、IPv6接続サービスおよび教育支援「manaba」なども提供
- サービス多角化:通信インフラの強みを生かし、学びとつなぐサービスへも事業展開
通信ライフラインとしての安定した基盤に加え、教育分野やIPv6など先端領域への対応で、今後も成長余地が期待されます。

株価・財務指標と業績の概況
株価・業績指標
- 株価:~708円前後で推移(2025年8月現在)
- 時価総額:約225〜230億円規模
- 配当利回り:およそ3.5 %
- PER:11–11.2倍
- PBR:1.46倍
- ROE:13–14 %
- 自己資本比率:約88 %(極めて高く財務健全性が抜群)
- IPO価格:400円、初値は385円からスタート
業績動向
- 第1四半期(2026年3月期):売上高33.6億円(前年比+4 %)、営業利益は減益。新規投資や広告による費用増が要因
- 通期業績見通しは据え置き。引き続き、通信契約数増やマンガ型プラットフォームの収益化が注目点
通信契約基盤の安定と、教育・IPv6への適応という成長戦略を組み合わせた拡大路線が続いています。

投資家にとっての魅力ポイント
- 安定収益+高い財務健全性:通信事業を軸に、利益基盤が堅く自己資本比率も極めて高い
- 高配当水準:3.5 %前後の高配当と一貫した配当姿勢
- インフラ領域の成長余地:「v6コネクト」など通信品質向上へのニーズに応える豊富な技術力
- 教育市場への展開:manabaなど教育ICT分野は政府・市場からの関心が高く、今後の伸びが期待される
- 独立系企業の自由度:大企業に依存しない柔軟な戦略展開が可能
投資リスクと注意点
- 競合激化:ISPは競合他社や格安サービスとの価格・サービス競争が激しい業界
- 費用負担のタイミング:インフラ更新や教育事業拡充に伴うコスト増が一時的に収益を圧迫
- 業績の妙味:4 %増収でも営業減益というように、利益動向はボラティリティがある
- 成長の伸び悩み懸念:通信インフラ市場が成熟する中、新分野での収益化スピードが注目される
投資戦略上の視点
- インカム重視に最適:安定した配当と財務安全性を重視する長期投資家に向く
- ポートフォリオの安定軸として:通信インフラ企業として“守り型”セクターの位置付け
- 成長局面の見極めも重要:教育ICTやIPv6サービスがどこまで伸びるかを丁寧に見ていきたい
まとめ:通信の信頼資産+教育ICTの成長ポテンシャル
朝日ネット(3834)は、通信サービスを軸に高収益・高財務安全性を誇る企業です。配当も魅力的で、インカムゲインを重視する投資家には好ましい銘柄です。加えて教育支援など新規展開にも注力しており、安定と成長のバランスがとれたユニークな企業と言えるでしょう。
投資目線では「守りの姿勢を土台に、教育ICTなどで差異化を図る成長期待株」と位置づけられます。株価水準もPERやPBRともに割安感があり、現時点では投資妙味も見られます。