はじめに
投資信託は初心者でも少額から手軽に始められる資産運用手段として人気ですが、世の中には数千本もの商品が存在し、どれを選べばよいのか迷う人も多いでしょう。特に、長期投資で成功するには「低コスト」「分散効果」「運用実績」の3つを満たすファンドを選ぶことが重要です。
SBI証券は国内最大級の取扱本数を誇るネット証券であり、つみたてNISAやiDeCoにも対応する優良ファンドが豊富です。本記事ではその中から特に人気と実績のある5本を厳選し、それぞれの特徴・メリット・注意点・活用法まで詳しく解説します。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
特徴
- 投資対象:先進国から新興国まで、全世界の株式
- ベンチマーク:MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)
- 信託報酬:年率0.05775%程度(非常に低い)
界隈では言わずと知れた「オール・カントリー」は、世界約50カ国の株式市場に自動的に分散投資できるインデックスファンドです。米国や欧州、日本、新興国までカバーしており、1本持っているだけで世界経済全体の成長を取り込めます。
メリット
- 地域分散が効いており、特定の国の景気後退に左右されにくい
- 信託報酬が業界最低水準で長期保有に最適
- 為替分散にもなるため、円安・円高どちらの局面でもある程度リスクヘッジが可能
注意点
- 米国株式の比率が高くなるため、米国の影響は一定程度受ける
- 短期的な大きなリターンは狙いにくい
活用法
長期投資のコア資産として最適。つみたてNISA枠いっぱいまで定期購入し、20年以上保有することで複利効果を最大化できます。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
特徴
- 投資対象:米国大型株500社
- ベンチマーク:S&P500指数
- 信託報酬:年率0.09372%程度
S&P500指数は、米国経済の代表的な企業群で構成され、過去数十年にわたり安定的な成長を見せています。Apple、Microsoft、Amazonなどの世界的企業が含まれ、米国経済の成長をダイレクトに反映します。
メリット
- 長期的に高いリターンを期待できる
- 米国企業のイノベーションや安定した経営基盤に投資できる
- 歴史的に右肩上がりの成長を続けてきた実績
注意点
- 米国経済が不調になると影響を強く受ける
- 為替リスクがある(円高になると円換算の価値が下がる)
活用法
米国株の将来性を信じる投資家におすすめ。全世界株と組み合わせれば、安定性と成長性のバランスが取れます。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
特徴
- 投資対象:米国大型株(S&P500)
- 運用方法:米国ETF「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」を通じて投資
- 信託報酬:年率0.0938%程度
SBIアセットマネジメントと米国バンガード社が提携して提供しているファンド。米国ETFを介した運用で、安定した低コストを実現しています。
メリット
- バンガード社の信頼性の高い運用力
- 低コストで米国株式市場に広く投資できる
- ETFを直接買うよりも手軽
注意点
- 為替の影響を受ける
- eMAXIS Slim S&P500との違いはコストや運用方法程度で、パフォーマンス差は小さい
活用法
SBI証券ユーザーで、米国株式投資をシンプルに行いたい人に適しています。eMAXIS Slimとの比較で好みの方を選べばOKです。

ニッセイNASDAQ100インデックスファンド
特徴
- 投資対象:NASDAQ100指数(米国の非金融大型株100社)
- 信託報酬:年率0.2035%程度
NASDAQ100は、ハイテク株を中心に構成され、過去10年間で圧倒的な成長を遂げてきました。Microsoft、Apple、NVIDIAなど、世界を変えるテクノロジー企業が多数含まれています。
メリット
- 高成長が期待できるIT・ハイテク企業に集中投資できる
- 米国のテクノロジー分野の恩恵を受けやすい
- 長期ではS&P500を上回るパフォーマンスの可能性
注意点
- 値動きが激しく、下落局面では大きく損失が出る可能性
- ハイテク分野に偏っているため、分散効果は低め
活用法
資産全体の一部を成長株枠として組み込み、長期的なリターンを狙う戦略が有効。全世界株やS&P500と組み合わせるとバランスが良くなります。
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま 全世界株式)
特徴
- 投資対象:全世界株式(先進国+新興国)
- 運用方法:海外ETFを組み合わせて運用
- 信託報酬:年率0.1102%程度
愛称「雪だるま」の通り、少しずつ資産を積み重ねるイメージで設計されたファンド。先進国株式、新興国株式をバランスよく保有できます。
メリット
- 1本で世界中に分散投資が可能
- ETFを通じた運用で低コスト
- 長期保有に適した構成
注意点
- ETF経由のため、構造がやや複雑
- 米国比率が高くなる傾向
活用法
オール・カントリーと同様に長期の資産形成のコアにできるファンド。ETF運用を好む人やSBI証券ユーザーに向いています。
5本の比較表
ファンド名 | 投資対象 | 信託報酬 | 特徴 |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 | 全世界株式 | 0.05775% | 地域分散最大 |
eMAXIS Slim 米国株S&P500 | 米国大型株 | 0.09372% | 米国集中型 |
SBI・V・S&P500 | 米国大型株 | 0.0938% | バンガードETF経由 |
ニッセイNASDAQ100 | ハイテク株 | 0.2035% | 成長株特化 |
雪だるま 全世界株式 | 全世界株式 | 0.1102% | ETF経由の全世界分散 |

投資信託選びのポイント
- 低コストかどうか
長期投資では信託報酬の差が数十万円の差につながります。 - 投資対象の分散度合い
全世界型は安定、米国型は成長期待が高い。 - 自分のリスク許容度
ハイテク株集中型はハイリスク・ハイリターンです。
まとめ
SBI証券では、低コストで実績ある優良ファンドが揃っており、初心者から上級者まで幅広く対応できます。全世界型を軸に、米国集中型や成長株型を組み合わせれば、自分に合ったポートフォリオを作ることが可能です。つみたてNISAやiDeCoと併用すれば、さらに効率的に資産形成を進められます。