リスク資産と安全資産の違いを徹底解説|投資初心者にもわかる資産配分の考え方

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はじめに

資産運用を考えるとき、多くの人が最初に悩むのは「何に投資すればいいのか」という点です。株式や投資信託、不動産など、聞いたことはあるけれど、どれをどのくらい持てば良いのかがわからないという方は少なくありません。
その根本的な疑問を解く鍵となるのが、「リスク資産」と「安全資産」という2つの分類です。

これらは、ただのラベル付けではありません。それぞれが資産運用において果たす役割は明確に異なり、どのような割合で組み合わせるかによって、資産の増え方も減り方も大きく変わります。

この違いを理解しないまま投資を始めると、相場の下落局面で慌てて売却し、大きな損失を確定してしまう可能性があります。逆に、役割を正しく理解しておけば下落時にも冷静さを保ち、長期的な資産形成を継続できるようになります。

この記事ではリスク資産と安全資産の定義や具体例、それぞれの特徴、組み合わせ方、失敗しないための注意点まで、初心者にも分かりやすく解説します。


リスク資産とは?

値動きの大きさが魅力でもありリスクでもある

リスク資産とは、価格変動が大きく、短期間で大きな利益が得られる可能性がある一方、大きな損失を被る可能性もある資産です。
投資の世界でいう「リスク」は、単なる危険という意味ではなく、「価格の変動幅」を指します。この変動幅が大きい資産ほど、リスクが高いとされます。

代表的なリスク資産

  • 株式(国内株式・外国株式)
    企業の業績や経済環境によって値動きが大きく変わります。
  • 投資信託(株式比率が高いもの)
    複数の銘柄に分散しても、株式市場全体の動きに左右されます。
  • 不動産・REIT
    景気動向や金利の影響を強く受けます。
  • 暗号資産(仮想通貨)
    極めて値動きが激しく、短期間で大きく上下します。
  • コモディティ(原油、金、銀など)
    国際情勢や需給関係によって価格が変動します。

リスク資産の特徴

  • 高いリターンを狙える
    長期的には株式市場は成長を続けてきました。特に米国株は過去100年で年平均約7%の実質リターンを記録しています。
  • 価格変動が激しい
    1日で数%動くことも珍しくなく、下落局面では数ヶ月で数十%下がる場合もあります。
  • インフレに強い
    実物資産や成長資産は物価上昇に伴い価値が上がる傾向があります。

安全資産とは?

安定性を重視した資産

安全資産は価格変動が小さく、元本割れのリスクが低い資産です。資産を増やすよりも守ることを目的として保有されることが多く、特に短期的な支出や生活費の確保に適しています。

代表的な安全資産

  • 預貯金(普通・定期預金)
    元本保証があり、流動性も高い。
  • 個人向け国債(変動10年、固定5年など)
    国の信用を背景に高い安全性を持つ。
  • 高格付け社債
    信用力の高い企業が発行する債券。
  • 短期国債
    満期が短く、金利変動リスクも小さい。
  • MMF(マネー・マーケット・ファンド)
    短期金融商品に分散投資する低リスク型ファンド。

安全資産の特徴

  • 元本がほぼ変わらない
    市場変動の影響を受けにくい。
  • 低リターン
    利回りは低く、長期的な資産増加には向きません。
  • 流動性の確保
    現金化が容易で、生活防衛資金として機能します。

リスク資産と安全資産の違い

項目リスク資産安全資産
値動き大きい小さい
期待リターン高い低い
損失リスク高い低い
インフレ耐性高い低い
運用目的資産を増やす資産を守る

両方を持つべき理由

相場変動への耐性

リスク資産だけに偏ると、市場が暴落した際に資産価値が大きく減り、精神的にも耐えられずに売却してしまうことがあります。一方、安全資産だけではインフレに負け、資産の実質価値が減っていきます。両方を持つことで、増やしつつ守るバランスが取れます。

実際の例

例えば、全額株式で運用している人がリーマンショック時に50%の含み損を抱えた場合、回復には100%の上昇が必要です。一方、株式50%+債券50%のポートフォリオなら下落幅は抑えられ、回復も早くなります。


資産配分を決める考え方

リスク許容度の把握

  • 年齢:若ければリスク資産多めでも耐えられる。
  • 収入の安定性:収入が安定していれば値動きに耐えやすい。
  • 投資経験:初心者は安全資産多めで慣れるのがおすすめ。

年齢別の目安

  • 20〜30代:リスク資産 70〜80%
  • 40〜50代:リスク資産 50〜60%
  • 60代以降:リスク資産 30〜40%

日本人が陥りやすい失敗と対策

全額貯金で資産が増えない

低金利環境で預金だけでは資産がほとんど増えず、インフレで目減りします。
対策:一部をインデックス投資や高配当株に振り向ける。

株式だけで全力投資

上昇相場では良いですが、下落局面で資産が半減し、再投資できなくなる恐れがあります。
対策:生活防衛資金+債券・預金を確保しておく。


今日の市場状況と資産配分

2025年8月13日、日経平均は米国株安や為替動向の影響で最高値更新。
こうした局面でこそ浮かれずに自分のポートフォリオを見直し、リスクを取り過ぎていないかを確認することが重要です。


まとめ

リスク資産と安全資産は、どちらが優れているかという話ではなく、目的と役割が違うだけです。自分のライフステージや性格、投資経験に応じてバランスを調整し、定期的に見直すことで、長期的に安定した資産形成が可能になります。

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