為替とは何か?
「為替(かわせ)」とは、異なる通貨を交換する仕組みや取引のことを指します。
例えば、日本で生活している私たちは普段「円(JPY)」を使っていますが、アメリカへ旅行すると「ドル(USD)」が必要になります。
このとき、日本円をアメリカドルに両替する必要がありますよね。
この「円とドルを交換する」という行為が為替です。
銀行や空港で行う両替も為替の一種ですが、ニュースなどでよく耳にする「為替レート」や「為替相場」というのは、世界中の金融市場でリアルタイムに変動している通貨同士の交換比率のことを指します。

為替レートとは?
為替レート(為替相場)とは、ある通貨と別の通貨を交換するときの比率のことです。
- 例:1ドル = 150円
この場合、「1ドルを得るには150円が必要」という意味です。逆に言うと、「1円は約0.0067ドル」ということになります。
このレートは常に変動しており、1日で数円動くことも珍しくありません。
この動きが「円高」「円安」と呼ばれる変化です。
円高・円安とは?
- 円高
円の価値が高まることを指します。
例:1ドル=150円 → 1ドル=130円になった場合、同じ1ドルを買うのに必要な円が少なくなります。
つまり円の価値が上がった状態です。 - 円安
円の価値が下がることを指します。
例:1ドル=130円 → 1ドル=150円になった場合、同じ1ドルを買うのに必要な円が多くなります。
つまり円の価値が下がった状態です。
為替レートはなぜ変動するのか?
為替レートは「需要と供給」で決まります。つまり、その通貨を欲しがる人が多ければ価値が上がり、売りたい人が多ければ価値が下がるという仕組みです。特に影響を与える要因は以下の通りです。
金利
金利が高い国の通貨は、投資家にとって魅力的になります。なぜなら、その通貨を持つことで高い利息が得られるからです。
例えばアメリカの金利が上がればドルを買いたい人が増え、ドル高・円安になる傾向があります。
経済指標
GDP(国内総生産)、失業率、インフレ率などの経済指標は、その国の経済の強さを示します。良い指標が発表されればその国の通貨が買われやすくなります。
政治・地政学リスク
戦争や政変、自然災害などは投資家心理に大きく影響します。安全資産とされる通貨(日本円やスイスフランなど)に資金が流れ込みやすくなり、為替が動きます。
貿易収支
日本が海外に多く輸出すればドルが入り、円に換えるため円高になりやすい、というように国際貿易のバランスもレートに影響します。

為替の種類
為替にはいくつか種類があります。
実需の為替
旅行や輸出入など、実際にモノやサービスのやり取りに伴う為替です。企業や個人が必要に応じて通貨を交換します。
投資・投機の為替
FX(外国為替証拠金取引)やヘッジファンドなど、利益を目的とした為替取引です。実際にモノやサービスのやり取りがなくても、大量の資金が動くため相場に影響を与えます。
為替が私たちの生活に与える影響
為替レートの変動は、私たちの生活にも直接影響します。
- 輸入品の価格
円安になると、海外から買う商品(石油・小麦・スマホなど)が高くなり、物価上昇につながります。 - 輸出企業の利益
円安になると、海外に製品を売る企業(自動車・家電メーカーなど)は利益が増えやすくなります。 - 海外旅行や留学
円安時は現地通貨への両替コストが高くなるため、海外旅行が割高になります。 - 投資
外貨建て資産(米国株など)を持っている場合、円安になると資産の円換算額が増えるというメリットもあります。

為替取引の方法(FX入門)
個人が為替取引をする方法として有名なのがFX(Foreign Exchange)です。
- 特徴
少ない資金で大きな取引ができる(レバレッジ)
24時間取引可能
スワップポイント(金利差による利益)を得られる場合がある - 注意点
価格変動が激しく、元本割れするリスクがある
知識や資金管理が必要
杉山はオススメしておりませんが、もしやりたいのであればまずデモ口座や小額で練習し、為替の動きやリスクを理解することが大切です。
為替ニュースの見方
為替ニュースでは、次のポイントを押さえておくと理解しやすくなります。
- 現在の為替レート(ドル円、ユーロ円など)
- 円高・円安の方向
- 変動の理由(経済指標、金利政策、地政学リスクなど)
- 今後の見通し(専門家のコメント)

まとめ
- 為替は通貨と通貨を交換する仕組みのこと
- 為替レートは常に変動し、「円高」「円安」という形で私たちの生活や経済に影響する
- 変動の要因は金利、経済指標、政治、貿易など多岐にわたる
- 旅行、輸出入、投資など身近な場面でも重要な役割を果たす
まずは「ニュースで円高・円安の意味が分かる」ことを目標にし、興味があればFXや外貨預金など投資にもステップアップすると良いでしょう。