初心者でもわかる!注目のゴールドETF3選【GLD・IAU・GLDM徹底比較】

お金

1. はじめに – なぜ今ゴールドETFなのか?

株式市場や為替市場は常に変動しますが、2020年代に入り、その変動幅は過去よりも大きくなっています。インフレ率の上昇、世界的な金利動向、地政学リスク(戦争や政治不安)などが投資家の心理を揺さぶり、安全資産への需要が高まりました。

その安全資産の代表格が「金(ゴールド)」です。金は有史以来、世界中で価値を認められた資産であり、中央銀行や大手金融機関も保有しています。しかし、現物の金を買うとなると次のような課題があります。

  • インゴットやコインの保管場所が必要
  • 偽造リスクや盗難リスクがある
  • 売買時に手数料やスプレッドが高くなりがち

そこで便利なのが「ゴールドETF」です。証券口座さえあれば株式と同じように取引でき、保管や管理は不要。少額から始められるため、初心者でも手軽に金投資を行えます。


2. ゴールドETFとは?

ETF(Exchange Traded Fund)とは、株式市場で取引される投資信託の一種で、株式や債券、商品(コモディティ)など、特定の資産や指数に連動するように作られています。

ゴールドETFは、金価格に連動するよう設計されたETFで、大きく分けて次の2種類があります。

  1. 現物保有型 – 実際に金の延べ棒を保有し、その価格に連動
  2. 先物連動型 – 金の先物取引を通じて価格連動を実現

米国市場では現物保有型が主流で、投資家は間接的に金を保有していることになります。

価格連動の仕組み
例えば1トロイオンス(金の国際的な取引単位)が2,000ドルなら、ETFの価格もそれに応じて変動します。ETF発行体は保有する金の価値を反映させるため、金価格が上昇すればETFの価格も上がり、下落すれば下がります。


3. 金価格の特徴と投資メリット

3-1 株や債券との相関が低い

金は企業業績や配当、金利に直接左右されないため、株や債券と値動きが異なります。株式市場が暴落したとき、金価格が上昇することも多く、資産全体のリスクを抑える「ヘッジ資産」として機能します。

3-2 インフレへの耐性

通貨の価値が下がるインフレ局面でも、金は価値を維持しやすい資産です。実際、米ドルの購買力が低下してきた長期的なトレンドの中で、金の価格は上昇してきました。

3-3 長期的な価値保存

何千年も前から金は装飾品や通貨の代替として使われ、人類が価値を認め続けてきた稀有な資産です。信用が通貨や政府に依存しないため、危機時にも需要が高まります。


4. ゴールドETF① SPDR Gold Shares(GLD)

基本情報

  • 運用会社:State Street Global Advisors
  • 上場年:2004年
  • 信託報酬:年0.40%
  • 運用資産残高:約580億ドル(2025年時点)
  • タイプ:現物保有型

GLDは世界最大のゴールドETFであり、機関投資家から個人まで幅広く利用されています。ロンドンに保管される金現物に裏付けられ、その価格はLBMA Gold Priceに連動します。

メリット

  • 圧倒的な流動性(売買しやすくスプレッドが小さい)
  • 長期にわたる実績と高い信頼性

デメリット

  • 信託報酬がやや高め
  • 1口価格が高く、少額投資には不向き

5. ゴールドETF② iShares Gold Trust(IAU)

基本情報

  • 運用会社:BlackRock
  • 上場年:2005年
  • 信託報酬:年0.25%
  • 運用資産残高:約300億ドル(2025年時点)
  • タイプ:現物保有型

IAUはGLDと似た仕組みですが、より低コストで運用されており、個人投資家の長期保有に人気があります。

特徴

  • 1口あたりの価格が約35〜40ドルで購入しやすい
  • 流動性も十分高く、取引コストも低い

メリット

  • GLDより低い信託報酬
  • 少額から分散投資しやすい

デメリット

  • GLDより売買規模はやや小さいが、実用上ほぼ問題なし

6. ゴールドETF③ SPDR Gold MiniShares Trust(GLDM)

基本情報

  • 運用会社:State Street Global Advisors
  • 上場年:2018年
  • 信託報酬:年0.10%
  • 運用資産残高:約80億ドル(2025年時点)
  • タイプ:現物保有型

GLDMはGLDの「低価格&低コスト版」です。1口あたりの価格が約18〜20ドルと安く、積立投資に向いています。

メリット

  • 業界最低水準の信託報酬
  • ドルコスト平均法での長期投資に最適

デメリット

  • GLDやIAUと比べると取引量が少なめ

7. ゴールドETFのメリット・デメリット総まとめ

メリット

  1. 保管や管理の手間が不要
  2. 少額から金投資が可能
  3. 株や債券との相関が低く、分散効果が高い
  4. インフレや金融危機時のリスクヘッジになる

デメリット

  1. 配当や利息は得られない(値上がり益が目的)
  2. 為替リスク(ドル建ての場合)
  3. 信託報酬などの運用コストがかかる

8. 投資戦略と活用法

8-1 資産全体の5〜15%を目安に

金は安全資産と言われますが、価格変動はあります。全資産のうち5〜15%程度を目安に組み入れるのが一般的です。

8-2 ドルコスト平均法で積立

短期的な値動きに左右されず、毎月一定額を積み立てる方法が有効です。GLDMやIAUは低価格で積立しやすいです。

8-3 為替ヘッジの有無を検討

円建てのゴールドETFもありますが、米国ETFを直接購入する場合は為替リスクを考慮しましょう。


9. まとめ

ゴールドETFは、金現物の保有を簡単に実現できる便利な投資商品です。特にGLD・IAU・GLDMはいずれも信頼性が高く、資産防衛やポートフォリオの安定化に役立ちます。投資目的や資金量に応じて使い分けることで、長期的に安心できる資産形成を目指せます。

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